転生脇役令嬢は原作にあらがえない
涙をためた目を見られるのが嫌だったが、ポーラはやがておずおずとクレイヴを見上げて、彼の服をつん、とつまんだ。
「一番綺麗な状態で、あなたのお嫁さんになりたいの……だめ?」
「……っ」
口を押えて、クレイヴは言葉に詰まる。たっぷり数十秒沈黙するクレイヴを、ポーラは心配そうな目で見上げていたが、その視線を受けたクレイヴはやがて深い深いため息を吐いた。
「仕方がありませんね……」
延期しましょう、と告げた彼の耳が少し赤くなっていたのに、ポーラは気付かなかった。ただ、式が延期され、万全の状態で嫁げるという事実を無邪気に喜んだのだった。
「一番綺麗な状態で、あなたのお嫁さんになりたいの……だめ?」
「……っ」
口を押えて、クレイヴは言葉に詰まる。たっぷり数十秒沈黙するクレイヴを、ポーラは心配そうな目で見上げていたが、その視線を受けたクレイヴはやがて深い深いため息を吐いた。
「仕方がありませんね……」
延期しましょう、と告げた彼の耳が少し赤くなっていたのに、ポーラは気付かなかった。ただ、式が延期され、万全の状態で嫁げるという事実を無邪気に喜んだのだった。