転生脇役令嬢は原作にあらがえない
「……わかった」

 その言葉に、ロッティは顔を上げて王太子の顔を見る。彼は、決意に満ちた顔でロッティの手をとった。

「私と永遠を誓ってくれ、ロッティ」

「ええ。……ええ、殿下! わたくしを永遠の幸せに連れていってくださいませ……!」

 かげっていた顔は、興奮で薔薇色に染まった多幸感に満ちた微笑みに変わった。

 そうして、ロッティ・アーチボルトは王太子の手によって殺され、王太子もまた自ら命をたち、『堕ちゆく花たち』は、ロッティという花を中心にして堕ちるところまで堕ちて終わりを告げるのだ。


***


 原作小説の流れを改めて思い返したポーラは溜め息を吐いた。メリーバッドエンドだと言われているこの小説は、ロッティにとっては悪夢のような状況を終わらせられるという意味でハッピーエンドなのだろうが、周囲の人たちからしたら不幸極まりない。

 これが現実に起こるのだとしたら、何がなんでも阻止せねばならない。特に愛するクレイヴを借金地獄になど追いやるわけにはいかないのだ。

「今度こそ、原作通りにならないようにしなくちゃいけないわ」

 決意も新たに、ポーラはこれからの対策を練ることにしたのだった。
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