転生脇役令嬢は原作にあらがえない
むくれて拗ねたような彼女は、完全に愛しい人に会えなくて寂しがっているだけだった。……うっかり、勝手にロッテの想い人を故人にしてしまうところだったわ。でも、どうしてこんな状況になっているの?
クレイヴはわたくしと婚約、王太子殿下は亡くなられている筈の少女が生きていらっしゃってその方と婚約、ロッテは幼馴染の従兄と両想いで婚約予定……となると、三人の男性がロッテをめぐって泥沼劇を演じた挙句、心を病んだロッテが王太子殿下に心中を持ちかけるなんていう、あの惨劇は絶対に起こらない、ってことなの……?
思うと、自然に口に笑みが浮かんできてしまう。
「従兄のお兄さまが、早く来てくださるといいわね」
「……ええ!」
わたくしの言葉に、ロッテは眩しいくらいの笑顔で答えた。会話がひと段落したところでクレイヴを振り返ると、彼が微笑み返してくれる。胸元にはさっきのオレンジの花が揺れていて、それはきっと王太子殿下がクレイヴに示した友好の証なのだわ。原作ではロッティ・アーチボルトを取り合っていたのだから、二人が仲がいいなんて、原作なら考えられないようなことだけれど。
「早くお兄さまに会いたいわ」
嬉しそうに笑うロッテに、わたくしも頬が緩む。
わたくしが考えていた原作への対策は、全て必要なかったの。作戦も全て瓦解してしまったけれど、やっぱり原作通りでない現実が進むのだわ!
クレイヴはわたくしと婚約、王太子殿下は亡くなられている筈の少女が生きていらっしゃってその方と婚約、ロッテは幼馴染の従兄と両想いで婚約予定……となると、三人の男性がロッテをめぐって泥沼劇を演じた挙句、心を病んだロッテが王太子殿下に心中を持ちかけるなんていう、あの惨劇は絶対に起こらない、ってことなの……?
思うと、自然に口に笑みが浮かんできてしまう。
「従兄のお兄さまが、早く来てくださるといいわね」
「……ええ!」
わたくしの言葉に、ロッテは眩しいくらいの笑顔で答えた。会話がひと段落したところでクレイヴを振り返ると、彼が微笑み返してくれる。胸元にはさっきのオレンジの花が揺れていて、それはきっと王太子殿下がクレイヴに示した友好の証なのだわ。原作ではロッティ・アーチボルトを取り合っていたのだから、二人が仲がいいなんて、原作なら考えられないようなことだけれど。
「早くお兄さまに会いたいわ」
嬉しそうに笑うロッテに、わたくしも頬が緩む。
わたくしが考えていた原作への対策は、全て必要なかったの。作戦も全て瓦解してしまったけれど、やっぱり原作通りでない現実が進むのだわ!