転生脇役令嬢は原作にあらがえない
「……でけー独り言だったな、悪い。従妹がうちに住んでるんだよ。身体が弱いから俺が面倒を見てやってるんだけど……」
「ああ、お好きなんですね。その従妹の女性のことを」
「ば……っそっ……!」
ばかやろう、そんなことを言うんじゃねえ、と言いたいところだろうが、顔を真っ赤にした次男は口をパクパクとさせたかと思えば、頭を抱えて黙り込んだ。
「……私も、お慕いしているお嬢様がいるんです。その方に求婚するために、今、爵位をあげようと足掻いているところです」
「……ん? でもあんた、もう子爵だろ? 求婚でもなんでもすればいいじゃないか」
ぱっと顔を上げて、次男は首を傾げた。
「私のお慕いするお嬢様は、伯爵家のお嬢様なのです。伯爵様に、子爵では求婚させないと言われてまして」
「……え、だからあんた、こんな辺境の領地まで来て薬草の研究してるのか?」
「ええ。お嬢様のためですからね」
答えて、クレイヴは足元の薬草を見る。同じ品種だが、オレンジの花と白い花両方を持った薬草に目を奪われて、クレイヴは屈んだ。
「……あんた凄いな。俺なんか、どうせ爵位は継げないからって……自分にも自信がなくて、自分から求婚しようなんて、思ってなかった」
「そうなんですか?」
「ああ。でもそれじゃだめだな。あいつの前で胸張って好きだって言えるように、俺もならなきゃだめだよな」
次男はクレイヴの横にしゃがむと、真剣な目で薬草を見る。
「ありがとうな」
「いえ、私は何もしてませんが……」
「俺もあいつに求婚できるよう、何かやってみるよ」
「そうですか。頑張ってください」
微笑んで、クレイヴは頷く。
このときのクレイヴは知らなかったが、クレイヴが薬草を見せてもらった領地は、ロッティ・アーチボルトが身を寄せていた領地であり、案内をしてくれた次男というのは、ロッティの従兄の『おにいさま』である。
クレイヴは無意識の内に、『告白できないでいた従兄』の設定を改変していたのだった。
「ああ、お好きなんですね。その従妹の女性のことを」
「ば……っそっ……!」
ばかやろう、そんなことを言うんじゃねえ、と言いたいところだろうが、顔を真っ赤にした次男は口をパクパクとさせたかと思えば、頭を抱えて黙り込んだ。
「……私も、お慕いしているお嬢様がいるんです。その方に求婚するために、今、爵位をあげようと足掻いているところです」
「……ん? でもあんた、もう子爵だろ? 求婚でもなんでもすればいいじゃないか」
ぱっと顔を上げて、次男は首を傾げた。
「私のお慕いするお嬢様は、伯爵家のお嬢様なのです。伯爵様に、子爵では求婚させないと言われてまして」
「……え、だからあんた、こんな辺境の領地まで来て薬草の研究してるのか?」
「ええ。お嬢様のためですからね」
答えて、クレイヴは足元の薬草を見る。同じ品種だが、オレンジの花と白い花両方を持った薬草に目を奪われて、クレイヴは屈んだ。
「……あんた凄いな。俺なんか、どうせ爵位は継げないからって……自分にも自信がなくて、自分から求婚しようなんて、思ってなかった」
「そうなんですか?」
「ああ。でもそれじゃだめだな。あいつの前で胸張って好きだって言えるように、俺もならなきゃだめだよな」
次男はクレイヴの横にしゃがむと、真剣な目で薬草を見る。
「ありがとうな」
「いえ、私は何もしてませんが……」
「俺もあいつに求婚できるよう、何かやってみるよ」
「そうですか。頑張ってください」
微笑んで、クレイヴは頷く。
このときのクレイヴは知らなかったが、クレイヴが薬草を見せてもらった領地は、ロッティ・アーチボルトが身を寄せていた領地であり、案内をしてくれた次男というのは、ロッティの従兄の『おにいさま』である。
クレイヴは無意識の内に、『告白できないでいた従兄』の設定を改変していたのだった。