転生脇役令嬢は原作にあらがえない
そうしてそこで次男に教えてもらった薬草の苗を持ち帰り、クレイヴは薬草の品種改良に務め、薬草の改良に成功したフローリー家の懐は、ますます潤った。
***
一年が過ぎ、フローリー家は豊かになったが、未だ子爵家のままだった。金を積めば準伯爵の位までは得られるだろうが、それでは意味がない。
薬草の改良に励むクレイヴだったが、爵位をあげる糸口を見つけられず悩んでいた時に、とある人物からの招待状がきた。
リタ・ヒギンズ伯爵令嬢である。
案内されて通されたのは、令嬢の寝室である。彼女の髪は銀色で、肌も透き通るくらいに白い。それもその筈で、彼女は病を得ており、ベッドに横になっていた。
原作の時間軸で言えば、ちょうど彼女が突然死する頃に重なる。
「……貴方のおかげで、わたくしは、一命をとりとめたの」
彼女の病は、毒の中毒症状だった。気付いた時にはかなりの毒に身体が侵されていて、もう手の施しようがないと思われたころ、クレイヴが改良した薬草のおかげで命を繋いだのだという。
リタは伯爵令嬢ではあるが、現王妃の姪であり、王太子の従妹である。その縁から幼い頃より交流を深めており、婚約まで秒読みだと言われていた。それをよく思わない派閥によって毒が盛られたのだ。既に犯人は捕まっているが、リタの身体は起き上がれないほどに衰弱してしまっていた。
「私の薬草が、少しでもお役にたてて、良かったです……」
回復しきっていない彼女に対して、やりきれない想いがクレイヴにこみ上げる。ベッドの側でリタの手を握り、付き添っていた男性が立ち上がった。
「クレイヴ・フローリー。どうか君に、彼女を癒す薬草を作って欲しい。この通りだ」
頭を下げた男性の正体を、クレイヴは判っていなかった。けれど、その願いに対する答えは、クレイヴの中でもう決まっている。
「もちろんです。出来る限りのことをさせてください」
そう請け負って、クレイヴはリタの身体を癒すための薬草の改良に尽力した。その甲斐あって、淡いオレンジの花をつける薬草の開発に成功し、リタは健康を取り戻したのである。
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一年が過ぎ、フローリー家は豊かになったが、未だ子爵家のままだった。金を積めば準伯爵の位までは得られるだろうが、それでは意味がない。
薬草の改良に励むクレイヴだったが、爵位をあげる糸口を見つけられず悩んでいた時に、とある人物からの招待状がきた。
リタ・ヒギンズ伯爵令嬢である。
案内されて通されたのは、令嬢の寝室である。彼女の髪は銀色で、肌も透き通るくらいに白い。それもその筈で、彼女は病を得ており、ベッドに横になっていた。
原作の時間軸で言えば、ちょうど彼女が突然死する頃に重なる。
「……貴方のおかげで、わたくしは、一命をとりとめたの」
彼女の病は、毒の中毒症状だった。気付いた時にはかなりの毒に身体が侵されていて、もう手の施しようがないと思われたころ、クレイヴが改良した薬草のおかげで命を繋いだのだという。
リタは伯爵令嬢ではあるが、現王妃の姪であり、王太子の従妹である。その縁から幼い頃より交流を深めており、婚約まで秒読みだと言われていた。それをよく思わない派閥によって毒が盛られたのだ。既に犯人は捕まっているが、リタの身体は起き上がれないほどに衰弱してしまっていた。
「私の薬草が、少しでもお役にたてて、良かったです……」
回復しきっていない彼女に対して、やりきれない想いがクレイヴにこみ上げる。ベッドの側でリタの手を握り、付き添っていた男性が立ち上がった。
「クレイヴ・フローリー。どうか君に、彼女を癒す薬草を作って欲しい。この通りだ」
頭を下げた男性の正体を、クレイヴは判っていなかった。けれど、その願いに対する答えは、クレイヴの中でもう決まっている。
「もちろんです。出来る限りのことをさせてください」
そう請け負って、クレイヴはリタの身体を癒すための薬草の改良に尽力した。その甲斐あって、淡いオレンジの花をつける薬草の開発に成功し、リタは健康を取り戻したのである。