僕と影~生首に出会う
27.はじける
土曜日の朝一。
僕は風呂敷に檜扇と一緒に包んだ生首を抱えて、車の助手席に乗り込んだ。
「お前、それをどこで拾ったんだ?」
父さんは思いっきり嫌そうな顔をして、僕の膝の上を睨んだ。
「学校帰りの空き地」
「風呂敷は?」
「……メブキさんが貸してくれた」
「生き物を拾っちゃダメだって言ってるだろう」
「ごめんなさい」
父さんの中で幽霊は『生き物』の範疇なんだと思うと面白かったけど黙っていた。
「あと彼女は人間にしなさい」
「彼女なんていないよ」
「……彼女でもないのに、そんなに匂いをつけさせるんじゃないよ」
父さんは首を横に振って、アクセルを踏んだ。
何も言わずに車を走らせる。
檜扇を返すときに、猫娘を問い詰めておこう。
やがて、小さなお寺に着いた。
父さんは僕に土鈴を渡した。
「なんかあったら行くけど、自分で拾った始末は自分でつけろよ」
「うん」
頷いて車から降りる。
父さんがじろりと僕の影を睨んで、影は小さくなった。
境内に入ると、入ってすぐの端に碑が建っていた。
周囲に人気が無いのを確認してから、僕は風呂敷をほどく。
「あ……ああ……」
生首が目を見開いた。
その目には何が見えているのか、僕にも影にもわからない。
はじけたように、生首の目から涙がぼろぼろこぼれた。
僕は風呂敷に檜扇と一緒に包んだ生首を抱えて、車の助手席に乗り込んだ。
「お前、それをどこで拾ったんだ?」
父さんは思いっきり嫌そうな顔をして、僕の膝の上を睨んだ。
「学校帰りの空き地」
「風呂敷は?」
「……メブキさんが貸してくれた」
「生き物を拾っちゃダメだって言ってるだろう」
「ごめんなさい」
父さんの中で幽霊は『生き物』の範疇なんだと思うと面白かったけど黙っていた。
「あと彼女は人間にしなさい」
「彼女なんていないよ」
「……彼女でもないのに、そんなに匂いをつけさせるんじゃないよ」
父さんは首を横に振って、アクセルを踏んだ。
何も言わずに車を走らせる。
檜扇を返すときに、猫娘を問い詰めておこう。
やがて、小さなお寺に着いた。
父さんは僕に土鈴を渡した。
「なんかあったら行くけど、自分で拾った始末は自分でつけろよ」
「うん」
頷いて車から降りる。
父さんがじろりと僕の影を睨んで、影は小さくなった。
境内に入ると、入ってすぐの端に碑が建っていた。
周囲に人気が無いのを確認してから、僕は風呂敷をほどく。
「あ……ああ……」
生首が目を見開いた。
その目には何が見えているのか、僕にも影にもわからない。
はじけたように、生首の目から涙がぼろぼろこぼれた。