この夜の意味〜声にできない恋を隠したら、完全無欠な御曹司の本気スイッチ入りました〜(旧:RISKY〜不敵な御曹司との恋は避けるべき〜)
かりそめの甘い夜★
「無理って、そんな…」
「だって今この腕から逃したら、絶対に後悔するから」
「もう逃げたりしませんから」
私の言葉は聞く耳すら持ってもらえず、まだ腕の中に閉じ込められたままだ。
「ねぇ……」
「どうしました?」
「僕のことを何でも信じる世間知らずだと思ってるんでしょ。だとしたらーー」
何か大事なことを言われたような気がしたが、彼の力強い鼓動ときつく締め付けてくるその腕が私の耳を塞いで、上手く聞き取ることができない。
「えっ?」
「うんうん。何でもない」
彼もやっと話を聞いてくれる気になったようだ。私の耳を突き刺していた荒ぶる鼓動と直接的な呼吸音が、ようやくそばから離れていく。でもずっと手は腰に添えられていて、動きは完全に封じられたままだ。
「だから、その、あれは…間違い、というか」
「知ってる。間違いなんでしょ?だから、僕の目も覚まさせてって言ってるの」
「ちょっ、ちか…っ!んーん、っ…!」
恐らく彼は最初から話を聞く気なんて、まるでなかったのだろう。いきなり唇で口を塞いで、言葉にすることさえ遮ってきたんだから。
昨晩は本当に一瞬の出来事だったから、身勝手になかったことにすることだって、その気になれば出来た。でも今はそんな言い訳すらできないくらいに、あまりにも長くその生々しい感触を押し付けてくる。
言葉も、身動きも、すべて彼に封じられてしまっている今。私は決して抱きしめ返すことだけはしない。それがせめてもの抵抗だ。
「んっ…はぁ、っ……」
それまで密着し続けていた彼との間に、少しだけ距離ができる。ようやく冷静さを取り戻してくれたのだろうか。
「やっぱり……僕だって、とっくに目は覚めてるよ」
でもそんな淡い願いはあっけなく散り、戸惑いが消えたように、向けられる熱情はさらに激しさを増していく。
そのキスはこれからが始まりだと言わんばかりに、それまでの触れるだけのものとはまるで違う。とにかく上唇だけを集中的に、何度も、何度も、咥えてくる。わざと音を立てるように、だ。
その艶かしい音が、やけに広いこの部屋に、嫌というほど響き渡る。今起こっていることは確かに現実なのだと、ありありと突きつけられている気分だ。
その柔らかな感触に染められて、固く閉ざさされた私の唇も、みるみるうちに解けてしまう。
決して受け入れることはできないと頭の中ではうるさいほどに訴えてくるのに、かすかに生まれた隙間はすんなりと彼の舌を招き入れてしまう。
その温かな舌は私を捕まえるように、逃げても逃げても絡みついてきて、離さないという強い意思すら感じるほどだ。
唇と唇のそれとは全く異なる快感に、これ以上続けてはダメだと私の中の理性が叫ぶ。でも、もう身体は全然言うことを聞いてくれない。
いつの間にか彼の舌に導かれるように逃げることから諦めて、まるで一つになるように溶け合っている。
最初こそ抵抗する意志を見せていた私も、あまりにも長く留まる彼の舌を当たり前のように、まるで自分のもののように受け入れる。
大丈夫。一度、夢から覚めた私なら、ここで引き返すことだってきっとできる。さっきもちゃんとできたじゃないか。そう信じて窓の外に広がる別世界を見ても、私の中の胸の高まりはなぜか一向に止まってくれない。
「はぁ、っ……何よそ見してるの?僕はこんなにも君のことで頭がいっぱいなのに」
「だって今この腕から逃したら、絶対に後悔するから」
「もう逃げたりしませんから」
私の言葉は聞く耳すら持ってもらえず、まだ腕の中に閉じ込められたままだ。
「ねぇ……」
「どうしました?」
「僕のことを何でも信じる世間知らずだと思ってるんでしょ。だとしたらーー」
何か大事なことを言われたような気がしたが、彼の力強い鼓動ときつく締め付けてくるその腕が私の耳を塞いで、上手く聞き取ることができない。
「えっ?」
「うんうん。何でもない」
彼もやっと話を聞いてくれる気になったようだ。私の耳を突き刺していた荒ぶる鼓動と直接的な呼吸音が、ようやくそばから離れていく。でもずっと手は腰に添えられていて、動きは完全に封じられたままだ。
「だから、その、あれは…間違い、というか」
「知ってる。間違いなんでしょ?だから、僕の目も覚まさせてって言ってるの」
「ちょっ、ちか…っ!んーん、っ…!」
恐らく彼は最初から話を聞く気なんて、まるでなかったのだろう。いきなり唇で口を塞いで、言葉にすることさえ遮ってきたんだから。
昨晩は本当に一瞬の出来事だったから、身勝手になかったことにすることだって、その気になれば出来た。でも今はそんな言い訳すらできないくらいに、あまりにも長くその生々しい感触を押し付けてくる。
言葉も、身動きも、すべて彼に封じられてしまっている今。私は決して抱きしめ返すことだけはしない。それがせめてもの抵抗だ。
「んっ…はぁ、っ……」
それまで密着し続けていた彼との間に、少しだけ距離ができる。ようやく冷静さを取り戻してくれたのだろうか。
「やっぱり……僕だって、とっくに目は覚めてるよ」
でもそんな淡い願いはあっけなく散り、戸惑いが消えたように、向けられる熱情はさらに激しさを増していく。
そのキスはこれからが始まりだと言わんばかりに、それまでの触れるだけのものとはまるで違う。とにかく上唇だけを集中的に、何度も、何度も、咥えてくる。わざと音を立てるように、だ。
その艶かしい音が、やけに広いこの部屋に、嫌というほど響き渡る。今起こっていることは確かに現実なのだと、ありありと突きつけられている気分だ。
その柔らかな感触に染められて、固く閉ざさされた私の唇も、みるみるうちに解けてしまう。
決して受け入れることはできないと頭の中ではうるさいほどに訴えてくるのに、かすかに生まれた隙間はすんなりと彼の舌を招き入れてしまう。
その温かな舌は私を捕まえるように、逃げても逃げても絡みついてきて、離さないという強い意思すら感じるほどだ。
唇と唇のそれとは全く異なる快感に、これ以上続けてはダメだと私の中の理性が叫ぶ。でも、もう身体は全然言うことを聞いてくれない。
いつの間にか彼の舌に導かれるように逃げることから諦めて、まるで一つになるように溶け合っている。
最初こそ抵抗する意志を見せていた私も、あまりにも長く留まる彼の舌を当たり前のように、まるで自分のもののように受け入れる。
大丈夫。一度、夢から覚めた私なら、ここで引き返すことだってきっとできる。さっきもちゃんとできたじゃないか。そう信じて窓の外に広がる別世界を見ても、私の中の胸の高まりはなぜか一向に止まってくれない。
「はぁ、っ……何よそ見してるの?僕はこんなにも君のことで頭がいっぱいなのに」