この夜の意味〜声にできない恋を隠したら、完全無欠な御曹司の本気スイッチ入りました〜(旧:RISKY〜不敵な御曹司との恋は避けるべき〜)
そう言ってまた一杯、また一杯と止まることなく口に頬張る。
私にとってカレーは家庭の味だ。父からレシピを聞けることはなかったし、私にはどうしたってその味は出せない。これからも、もう食べられることもないのだろう。
でも「父につくってもらった」という宝物のような記憶だけはずっと胸の中にしまうことができる。彼には最初からその記憶すらないみたいだ。
「んっ…ごめん。ごぼした」
彼の皺ひとつない真っさらなワイシャツの胸元にシミが一つ出来ている。私は汚れが残らないように咄嗟に濡れたタオルを持ち、その部分をポンポンと叩く。
「ねえ?」
「はい?」
「君は何とも感じない?」
「え…?」
私が不思議な顔をすると、「これでも?」と言いながら胸に添えられた手をグッと押し付けてくる。
「さすがにわかるでしょ?」
彼のドク、ドクという強い鼓動が手のひらに伝わってきて、もはや感じないと言う方が無理がある。
「やっぱり手、小さいね」
彼の言う通り、私の手と彼の手は包まれると見えなくなってしまうくらいに違いがある。というか、私からすると彼の手が大きすぎるのだが……。
「でもこんな小さな手が、簡単に僕を壊してしまうとしたら…?」
急に真剣な表情でそんな質問をしてくる。
「良いの?このままで?」
私は考えもなしに触れてしまった自分が途端に怖くなって、彼の胸から手を避ける。
「わかってはいたけど、寂しいものだね…」
そう言って背中を見せながら、通りすがりに私の髪をくしゃりと触っていく。
「シャワー浴びたら、一緒に片付けよう」
まるで静まった空気を無理をして戻すような、そのわざとらしい明るさに私は心苦しくも救われた。
もしあのまま手を離さなかったら、また昨夜のような展開になっていたのだろうか。下腹部がまたジンと疼いて、はからずも期待してしまっている自分がいるからだ。
初めての経験に、ただ体が強く反応しているだけだと信じたい。信じたいけど、鼓動の速さは彼よりもずっと速い。私の身体がこれ以上おかしくなる前に早く、早く、彼に嫌いになってもらわなければ。
私は彼となるべく同じ空間にいることがないように、約束を破って一人で荒れ果てたキッチンを元通りにしてみせる。
「あれ?」
「わっ!」
耳元で突然彼の声がするから、奇声を上げて慌てて振り向く。
すると、そこに立っている彼は上半身はあけっぴろげに、大事な部分は辛うじてタオル一枚で隠している。しかも何か問題でも?というような堂々とした態度で。
「ちょっと、社長!」
「ん?」
私は二重の驚きで手に持っていたボウルを足元に落としてしまう。それを屈んで拾うけど、彼ははなっから隠すつもりなんてないみたいだ…。
はち切れんばかりに膨れ上がっていた彼のものは、通常時から異様に大きく、容易にバスタオルの隙間を突き抜けてくる。私は咄嗟に顔を手で隠した。
「はぁ…一緒に片付けようって言ったのに」
「もうそんなこと言ってないで、早く服着てくださいよ」
体をまとう熱気がやけに近く感じられて、指と指の隙間から覗くと、下手すればぶつかりそうな距離に彼の刺すような視線がある。
「僕にはさ、一か月しか残されてないんだよ?」
急に何やら考え込んで、企んだような笑みを浮かべるから、私はとても嫌な予感がした。
「やっぱりお互いフェアにいかないとね…」
私にとってカレーは家庭の味だ。父からレシピを聞けることはなかったし、私にはどうしたってその味は出せない。これからも、もう食べられることもないのだろう。
でも「父につくってもらった」という宝物のような記憶だけはずっと胸の中にしまうことができる。彼には最初からその記憶すらないみたいだ。
「んっ…ごめん。ごぼした」
彼の皺ひとつない真っさらなワイシャツの胸元にシミが一つ出来ている。私は汚れが残らないように咄嗟に濡れたタオルを持ち、その部分をポンポンと叩く。
「ねえ?」
「はい?」
「君は何とも感じない?」
「え…?」
私が不思議な顔をすると、「これでも?」と言いながら胸に添えられた手をグッと押し付けてくる。
「さすがにわかるでしょ?」
彼のドク、ドクという強い鼓動が手のひらに伝わってきて、もはや感じないと言う方が無理がある。
「やっぱり手、小さいね」
彼の言う通り、私の手と彼の手は包まれると見えなくなってしまうくらいに違いがある。というか、私からすると彼の手が大きすぎるのだが……。
「でもこんな小さな手が、簡単に僕を壊してしまうとしたら…?」
急に真剣な表情でそんな質問をしてくる。
「良いの?このままで?」
私は考えもなしに触れてしまった自分が途端に怖くなって、彼の胸から手を避ける。
「わかってはいたけど、寂しいものだね…」
そう言って背中を見せながら、通りすがりに私の髪をくしゃりと触っていく。
「シャワー浴びたら、一緒に片付けよう」
まるで静まった空気を無理をして戻すような、そのわざとらしい明るさに私は心苦しくも救われた。
もしあのまま手を離さなかったら、また昨夜のような展開になっていたのだろうか。下腹部がまたジンと疼いて、はからずも期待してしまっている自分がいるからだ。
初めての経験に、ただ体が強く反応しているだけだと信じたい。信じたいけど、鼓動の速さは彼よりもずっと速い。私の身体がこれ以上おかしくなる前に早く、早く、彼に嫌いになってもらわなければ。
私は彼となるべく同じ空間にいることがないように、約束を破って一人で荒れ果てたキッチンを元通りにしてみせる。
「あれ?」
「わっ!」
耳元で突然彼の声がするから、奇声を上げて慌てて振り向く。
すると、そこに立っている彼は上半身はあけっぴろげに、大事な部分は辛うじてタオル一枚で隠している。しかも何か問題でも?というような堂々とした態度で。
「ちょっと、社長!」
「ん?」
私は二重の驚きで手に持っていたボウルを足元に落としてしまう。それを屈んで拾うけど、彼ははなっから隠すつもりなんてないみたいだ…。
はち切れんばかりに膨れ上がっていた彼のものは、通常時から異様に大きく、容易にバスタオルの隙間を突き抜けてくる。私は咄嗟に顔を手で隠した。
「はぁ…一緒に片付けようって言ったのに」
「もうそんなこと言ってないで、早く服着てくださいよ」
体をまとう熱気がやけに近く感じられて、指と指の隙間から覗くと、下手すればぶつかりそうな距離に彼の刺すような視線がある。
「僕にはさ、一か月しか残されてないんだよ?」
急に何やら考え込んで、企んだような笑みを浮かべるから、私はとても嫌な予感がした。
「やっぱりお互いフェアにいかないとね…」