この夜の意味〜声にできない恋を隠したら、完全無欠な御曹司の本気スイッチ入りました〜(旧:RISKY〜不敵な御曹司との恋は避けるべき〜)
積み重ねてきたページをペラペラとめくりながら、自分の出方に考えを張り巡らせていると、ザワザワとした会場が静まり返り、シャッター音だけが広いホール内に鳴り響く。
そして会見の主役、東条宗高が壇上に上がってくると、レンズが一斉に彼の方へと向けられる。
「今日は急なお呼びたてにも関わらず、お集まりいただきありがとうございます。東条グループ社長、東条宗高です」
手際よくマイクの高さを上げ、演台の前で両手を重ねながら、淡々と前置きを言い連ねる様子からも、全く焦りが見えない。いくら世間知らずとはいえ、一大事な状況だということにまだ気づいていないのだろうか?
そんなスカした宗高の姿は記者たちをますます興奮させ、口々に言葉の銃口を向けられる。
「北里コーポレーションのご令嬢と交際されている、という噂は事実ですか?」
「はっきりと答えてください!」
「質問は一人ずつでお願いします」
どこかで見覚えのある男が、会見に覆うほとぼりを鎮めるには少々頼りない、可愛らしい声で対抗している。
さっき東条宗高は、自分と背格好が同じくらいの男性を後ろに連れていたっけ。この、コーヒー色のスーツ、やっぱりそうだ。
改めてよく見ると、窮屈そうにジャケットを羽織るだけの宗高とは違い、しっかりとジャケットのボタンも留められていて、やや肉つきは少なめな気もする。
何年もかけてこの会社を調べ尽くしてきた私でも初めて見る顔だ。壇上の男は、さりげなく折りのついた直線的な目や、真っ直ぐな上唇と上がった口角が、頬の肉の削がれた面長の顔にバランスよく配置されている。まさしく精悍な男だ。かすかに光が入った漆黒の瞳と同色の髪は、七三にきっちりと分けている。
どちらかと言うと、この場を仕切る男はそれとは正反対。パーツ全てがまんまる顔の中心にギュッと集まり、光を全て吸収したようなパッチリ垂れ目、それに下ろした前髪と黄茶色のゆるふわパーマヘアが、幼さを際立たせている。
歳は三十路間近の私よりもだいぶ下、20代前半くらい?いや、10代後半といわれても驚きはしない。もしかして社長が新しくなってから入った、秘書かなにかだろうか?そんな気迫のない可愛らしい声で言ったって、彼らの興奮は収まりはしないよと私も少し哀れな気持ちになる。
そして会見の主役、東条宗高が壇上に上がってくると、レンズが一斉に彼の方へと向けられる。
「今日は急なお呼びたてにも関わらず、お集まりいただきありがとうございます。東条グループ社長、東条宗高です」
手際よくマイクの高さを上げ、演台の前で両手を重ねながら、淡々と前置きを言い連ねる様子からも、全く焦りが見えない。いくら世間知らずとはいえ、一大事な状況だということにまだ気づいていないのだろうか?
そんなスカした宗高の姿は記者たちをますます興奮させ、口々に言葉の銃口を向けられる。
「北里コーポレーションのご令嬢と交際されている、という噂は事実ですか?」
「はっきりと答えてください!」
「質問は一人ずつでお願いします」
どこかで見覚えのある男が、会見に覆うほとぼりを鎮めるには少々頼りない、可愛らしい声で対抗している。
さっき東条宗高は、自分と背格好が同じくらいの男性を後ろに連れていたっけ。この、コーヒー色のスーツ、やっぱりそうだ。
改めてよく見ると、窮屈そうにジャケットを羽織るだけの宗高とは違い、しっかりとジャケットのボタンも留められていて、やや肉つきは少なめな気もする。
何年もかけてこの会社を調べ尽くしてきた私でも初めて見る顔だ。壇上の男は、さりげなく折りのついた直線的な目や、真っ直ぐな上唇と上がった口角が、頬の肉の削がれた面長の顔にバランスよく配置されている。まさしく精悍な男だ。かすかに光が入った漆黒の瞳と同色の髪は、七三にきっちりと分けている。
どちらかと言うと、この場を仕切る男はそれとは正反対。パーツ全てがまんまる顔の中心にギュッと集まり、光を全て吸収したようなパッチリ垂れ目、それに下ろした前髪と黄茶色のゆるふわパーマヘアが、幼さを際立たせている。
歳は三十路間近の私よりもだいぶ下、20代前半くらい?いや、10代後半といわれても驚きはしない。もしかして社長が新しくなってから入った、秘書かなにかだろうか?そんな気迫のない可愛らしい声で言ったって、彼らの興奮は収まりはしないよと私も少し哀れな気持ちになる。