この夜の意味〜声にできない恋を隠したら、完全無欠な御曹司の本気スイッチ入りました〜(旧:RISKY〜不敵な御曹司との恋は避けるべき〜)
彼には怖いものなんてないと思っていた。目の前の彼は、とても寂しげで今にも壊れてしまいそうな儚さがある。今の私の願いは、そんな苦しみの中から彼を救い出したい。彼が私にそうしてくれたように。ただ、それだけだ。
「怖がらなくても大丈夫ですよ。その分、私が嫌になるくらい、いっぱい伝えますから」
安心させるように頬を撫でながらそう言うと、まるで彼は生気が戻ってきたように顔をしかめた。
「嫌になる……?僕が君にそんなこと思うわけないだろ?」
今はひそめた眉間の皺すらどうしようもなく愛おしくて、気づけば私はそこに唇を押し付けていた。
「ちょ、っ……」
「私、宗高さんの全部が好きなんです」
言葉では伝わらないありったけの思いも全て刻みつけるように、ぴくりと感じたまま反応してしまう瞼から、少し赤くなった鼻先や頬まで、余す所なく唇を落としていく。
「愛おしく見つめてくれる目も、っ……擦り寄せてくれる、温かい頬も……っ…」
「っ……くすぐったいって」
「まだ足りないです。こんなに好きで好きでたまらないのに、興味ないふりするの、ほんと大変だったんですから」
「もう、わかった!わかったから…!」
その動きを止めるように、彼の大きな手が私の頬に重なると、互いの目はぴたりとぶつかり合った。まるで大人に諭される子供みたいで、額を合わせながら二人して笑い合う。
「「あははははっ……」」
もう忙しなく掻き立てられるような口づけをする必要はない。私たちは時間の流れからも解き放たれ、空白の時間を埋めるように、ゆっくりと互いの懐かしい唇の感触を確かめ合う。隙間風の音だけがひっそりと流れるこの家に、二人の生々しい密着音も混ざっていく。
「耳、真っ赤じゃん」
その潤んだ唇で耳朶を何度も何度も優しく咥えられ、長い舌先は耳の溝へと伸びてくる。
私の赤く染まった耳介は、彼の熱い口内に満足するまで隈なくじっくりと味わい尽くされ、ますます熱を帯びた。絶え間なく続く静かな快感に、身体は小さく跳ねを繰り返す。
後先にとらわれず今だけを考えていられる。私たちはもう猛烈な快感など求めてはいなかった。ただこうしていられるだけで、幸せだった。この時間が当たり前ではないことを、痛いほどに分かっているから。
「恥ずかしいのに、ちゃんと言葉にしてくれるの?」
「んっ…ふ、っ……ぁ……だ、って…」
「だって?何?」
「もう、誤解、されたくないから」
「誤解?」
「ずっと、好きだったんだもん」
「そんなの、もう十分伝わってるよ」
「……えっ?」
私は疑問符を頭上に出しながら、見開いた目を彼の目と繋ぎ合わせる。
「これから僕は信じたいものだけ信じるよ、って。あの日、言ったよ?」
「いつ?」
「……まあ、今となっては、そんな過ぎた話はどうだっていいか。もう伝えたくなったら、いくらでも伝えられるんだから」
私の頭を抱き寄せると、まるで脳内に直接に刻みつけるように、こう囁く。
「ずっとわかってたよ。君が僕のことを、ちゃんと、真剣に考えてくれてるって……」
「…ん……っ…」
「でもさ、言葉で聞けると、やっぱりとてつもなく嬉しいものだね」
一点に集中する彼の吐息と潜めた声に、全身が蕩けるほどに熱くなり、気を抜くとすぐにでもうなだれてしまいそうだった。
「膝の上、来る?」
「…うん……」
「良いよ。おいで」
ふわりと手を広げながら膝の上に迎え入れられると、彼の顔が私の視界を埋め尽くした。あまりに距離が近くて、恥ずかしさを誤魔化すように少しばかりおどけてみせる。
「重くないですか?」
「そりゃあ、重いよ」
「ほんとに!?なんか、ごめんなさい……」
返ってきた言葉は思いもよらぬもので、私は咄嗟に離れようとするけれど、彼はなぜかその重さを手放そうとはしない。それどころか、さらに深く重さがのしかかるように腰にきつく腕を回して、隙間なく体を密着させてくる。
「君がちゃんと、そばにいるって感じる。手放したくない重さだ」
「もう……宗高さん、びっくりさせないでよ……」
私も目の前の存在を感じるように、がっちりとした背中に目いっぱい腕を回す。ずっと恋しかったゆらゆらとした横揺れのリズムは、今日も私を安心させる。
「文乃……」
「どうしました?」
「僕たち、これからずっと、こうしていられるかな……」
「ずっと、一緒ですよ」
未来を案じる彼に、今の私ははっきりとそう言い切れる。だって、私たちにはもう離れなきゃならない理由なんてないのだから。でもあんなに言葉にしたかったのに、今はいくら言葉にしても、まだ彼からもらったものには到底及ばない気がする。
だから私は、ただ腕の中で守られているだけでは心が落ち着かなくて、そばにある首筋に吸い付く音を立てながら、自分の印を増やしていく。
「あ、っ……こらっ……」
「意地悪な宗高さんに、仕返しです」
「悪かった、って……な?だから、やめ……」
「…違う……そう、じゃなくて」
「ん?何が、違うの?」
「お返しが、したいんです……」
彼は首筋から唇を遠ざけるように、手と手を取りながら私の目をしっかりと捉えて、こう諭してくる。
「その考えは、僕たちには相応しくないんじゃないかな?」
「……どうして?」
「僕にも、君にも抱えていた事情があった。それが僕たちのすべてでしょ」
それでも、私は言葉だけじゃない、今の私だからこそできる何かで、私たちはこれまでの関係とは違うんだということを証明してみせたかった。
「それでも、したいの?」
「……したい」
「そっか……じゃあ、今日はお願いしようかな」
「良いの?」
「うん、良いよ。文乃のしたいように、やってみてごらん」
「怖がらなくても大丈夫ですよ。その分、私が嫌になるくらい、いっぱい伝えますから」
安心させるように頬を撫でながらそう言うと、まるで彼は生気が戻ってきたように顔をしかめた。
「嫌になる……?僕が君にそんなこと思うわけないだろ?」
今はひそめた眉間の皺すらどうしようもなく愛おしくて、気づけば私はそこに唇を押し付けていた。
「ちょ、っ……」
「私、宗高さんの全部が好きなんです」
言葉では伝わらないありったけの思いも全て刻みつけるように、ぴくりと感じたまま反応してしまう瞼から、少し赤くなった鼻先や頬まで、余す所なく唇を落としていく。
「愛おしく見つめてくれる目も、っ……擦り寄せてくれる、温かい頬も……っ…」
「っ……くすぐったいって」
「まだ足りないです。こんなに好きで好きでたまらないのに、興味ないふりするの、ほんと大変だったんですから」
「もう、わかった!わかったから…!」
その動きを止めるように、彼の大きな手が私の頬に重なると、互いの目はぴたりとぶつかり合った。まるで大人に諭される子供みたいで、額を合わせながら二人して笑い合う。
「「あははははっ……」」
もう忙しなく掻き立てられるような口づけをする必要はない。私たちは時間の流れからも解き放たれ、空白の時間を埋めるように、ゆっくりと互いの懐かしい唇の感触を確かめ合う。隙間風の音だけがひっそりと流れるこの家に、二人の生々しい密着音も混ざっていく。
「耳、真っ赤じゃん」
その潤んだ唇で耳朶を何度も何度も優しく咥えられ、長い舌先は耳の溝へと伸びてくる。
私の赤く染まった耳介は、彼の熱い口内に満足するまで隈なくじっくりと味わい尽くされ、ますます熱を帯びた。絶え間なく続く静かな快感に、身体は小さく跳ねを繰り返す。
後先にとらわれず今だけを考えていられる。私たちはもう猛烈な快感など求めてはいなかった。ただこうしていられるだけで、幸せだった。この時間が当たり前ではないことを、痛いほどに分かっているから。
「恥ずかしいのに、ちゃんと言葉にしてくれるの?」
「んっ…ふ、っ……ぁ……だ、って…」
「だって?何?」
「もう、誤解、されたくないから」
「誤解?」
「ずっと、好きだったんだもん」
「そんなの、もう十分伝わってるよ」
「……えっ?」
私は疑問符を頭上に出しながら、見開いた目を彼の目と繋ぎ合わせる。
「これから僕は信じたいものだけ信じるよ、って。あの日、言ったよ?」
「いつ?」
「……まあ、今となっては、そんな過ぎた話はどうだっていいか。もう伝えたくなったら、いくらでも伝えられるんだから」
私の頭を抱き寄せると、まるで脳内に直接に刻みつけるように、こう囁く。
「ずっとわかってたよ。君が僕のことを、ちゃんと、真剣に考えてくれてるって……」
「…ん……っ…」
「でもさ、言葉で聞けると、やっぱりとてつもなく嬉しいものだね」
一点に集中する彼の吐息と潜めた声に、全身が蕩けるほどに熱くなり、気を抜くとすぐにでもうなだれてしまいそうだった。
「膝の上、来る?」
「…うん……」
「良いよ。おいで」
ふわりと手を広げながら膝の上に迎え入れられると、彼の顔が私の視界を埋め尽くした。あまりに距離が近くて、恥ずかしさを誤魔化すように少しばかりおどけてみせる。
「重くないですか?」
「そりゃあ、重いよ」
「ほんとに!?なんか、ごめんなさい……」
返ってきた言葉は思いもよらぬもので、私は咄嗟に離れようとするけれど、彼はなぜかその重さを手放そうとはしない。それどころか、さらに深く重さがのしかかるように腰にきつく腕を回して、隙間なく体を密着させてくる。
「君がちゃんと、そばにいるって感じる。手放したくない重さだ」
「もう……宗高さん、びっくりさせないでよ……」
私も目の前の存在を感じるように、がっちりとした背中に目いっぱい腕を回す。ずっと恋しかったゆらゆらとした横揺れのリズムは、今日も私を安心させる。
「文乃……」
「どうしました?」
「僕たち、これからずっと、こうしていられるかな……」
「ずっと、一緒ですよ」
未来を案じる彼に、今の私ははっきりとそう言い切れる。だって、私たちにはもう離れなきゃならない理由なんてないのだから。でもあんなに言葉にしたかったのに、今はいくら言葉にしても、まだ彼からもらったものには到底及ばない気がする。
だから私は、ただ腕の中で守られているだけでは心が落ち着かなくて、そばにある首筋に吸い付く音を立てながら、自分の印を増やしていく。
「あ、っ……こらっ……」
「意地悪な宗高さんに、仕返しです」
「悪かった、って……な?だから、やめ……」
「…違う……そう、じゃなくて」
「ん?何が、違うの?」
「お返しが、したいんです……」
彼は首筋から唇を遠ざけるように、手と手を取りながら私の目をしっかりと捉えて、こう諭してくる。
「その考えは、僕たちには相応しくないんじゃないかな?」
「……どうして?」
「僕にも、君にも抱えていた事情があった。それが僕たちのすべてでしょ」
それでも、私は言葉だけじゃない、今の私だからこそできる何かで、私たちはこれまでの関係とは違うんだということを証明してみせたかった。
「それでも、したいの?」
「……したい」
「そっか……じゃあ、今日はお願いしようかな」
「良いの?」
「うん、良いよ。文乃のしたいように、やってみてごらん」