わたしを生かしたリリィへ
ぼろぼろの服をきて、ただ小さな部屋の中でパンとご飯を待ちます。わたしはいつも“ひま”だと感じていたので、ドアに耳を押し当てながら、父と母の会話をこっそり聞いていました。

そして、1日に3回ほどでしょうか?わたしは毎日、不規則な時間に部屋から引き摺り出され、殴られるか、暴言を吐かれるか、髪を引っ張られるか、抜かれるか、それとも稀な場合は骨を折られるか。それは、父と母の機嫌によって決まります。

「あなたはまるで生きるゴミね」「早く死んだ方がいいんじゃないかしら」「気色悪い」「産むんじゃなかった、金もかかる」

わたしは言葉を学びました。そして、気が付きました。

わたしの名前は、「ゴミ」と、「気色悪い」と、「死ね」の、3つだということに。

でも、わたしの最初の名前は「わたし」だったから、わたしはわたしを「わたし」と呼びました。きっとわたしは、「わたし」を気に入っていました。

ドアに耳を押し当てて、父と母の会話を聞くのは、とても楽しいと感じていました。そうすると次第に、わたしの名前はやっぱり「ゴミ」だということがわかってきました。

だからわたしは、わたしを「ゴミ」ということにしました。そしてようやくゴミの意味を理解した時は、わたしはゴミ箱に入ればいいのか、と理解できて、嬉しかったです。
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