雨宮さん家の大型犬〜飼い主は最愛のわんこを何時でも愛でていたい〜
私って、かなり可愛くないなぁ…。


「はぁー…」

「あ!雨宮さん!」

「…なに?」

「あ…いや…なんでもない、デス…」


溜息を吐いた瞬間に別の男子に声を掛けられ、滅茶苦茶目付き悪くその子を睨み付けたら、尻尾を巻いて逃げてった。


もー!もー!もー!

こうなりゃ、次の授業はサボタージュ。
しーちゃんが探しに来ても、知らんぷりしてやるんだからねっ!


と…。
ガラガラと保健室へ入り込むと、無駄に色気ダダ漏れな保険医の佐々木先生が、私を見るやいなや、


「雨宮さん〜?ズル休みは駄目よ?でもー…まぁ、今日だけ許してあ、げ、る」


うふふ、となんだか鳥肌が立つくらい異様な笑みを受けて、ベッドへとすんなり誘われた。

「私今から会議あるから、鍵閉めてくわねぇ〜。帰りたくなったら、一応誰でもいいから先生に一言報告して行ってちょーだいな」

「…はーい」

素直に返事をして、私は真っ白なベッドのシーツに頬をすりすりと押し付けた。


きーんこーん…


少しだけ、間延びして歪んだチャイムが、響いたので自分でも寝落ちしていたことを悟る。
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