家族に裏切られ全てを奪われた私は、辺境地に住む強くて心優しい彼に出逢い、沢山の愛と優しさに触れながら失ったモノを取り戻す
そんなエリスを前に男は、
「それで、お前は何故こんな森の中で、そんな格好をしている? 見るからに訳がありそうな気はするが……」
咳払いをしつつ、今置かれている状況を問い掛けた。
「あ……その……私……」
問い掛けられたエリスは名を名乗ろうとした直前で気付く。
自分がエリス・セネルである事を明かすべきかどうか。
きちんとした身なりをしていれば名乗らなくても気付かれるくらい美しい容姿のエリス。
普段なら光沢があり美しくウェーブがかった栗色の長い髪も、草木に引っかかったりしたせいかボサボサになって艶を失い、目鼻立ちが整った白く透明感のある小さい顔や華奢な身体の至る所に傷があり、その上ネグリジェ一枚で靴を履いていないという何とも言えない貧相な格好をしたエリスの容姿からは、とてもじゃないけれどセネル国の王子、シューベルトの妻とは気付けないだろう。
それに、殺されかけた状況やシューベルトとリリナが話していた内容から察するに、こうして逃げて来た自分を確実に始末する為にこの先も追い掛けて来る事が予想される今、やたら無闇に素性を明かすのは危険だと判断する。
しかし、そんなエリスに男は、
「……お前はセネル国の王子、シューベルトの妻になったエリスだろう? 何故そんなお前がその様な格好でこんな場所に居るのか、包み隠さず話して欲しい」
真剣な眼差しで、エリスが王子の妻である事を言い当てたのだ。
「それで、お前は何故こんな森の中で、そんな格好をしている? 見るからに訳がありそうな気はするが……」
咳払いをしつつ、今置かれている状況を問い掛けた。
「あ……その……私……」
問い掛けられたエリスは名を名乗ろうとした直前で気付く。
自分がエリス・セネルである事を明かすべきかどうか。
きちんとした身なりをしていれば名乗らなくても気付かれるくらい美しい容姿のエリス。
普段なら光沢があり美しくウェーブがかった栗色の長い髪も、草木に引っかかったりしたせいかボサボサになって艶を失い、目鼻立ちが整った白く透明感のある小さい顔や華奢な身体の至る所に傷があり、その上ネグリジェ一枚で靴を履いていないという何とも言えない貧相な格好をしたエリスの容姿からは、とてもじゃないけれどセネル国の王子、シューベルトの妻とは気付けないだろう。
それに、殺されかけた状況やシューベルトとリリナが話していた内容から察するに、こうして逃げて来た自分を確実に始末する為にこの先も追い掛けて来る事が予想される今、やたら無闇に素性を明かすのは危険だと判断する。
しかし、そんなエリスに男は、
「……お前はセネル国の王子、シューベルトの妻になったエリスだろう? 何故そんなお前がその様な格好でこんな場所に居るのか、包み隠さず話して欲しい」
真剣な眼差しで、エリスが王子の妻である事を言い当てたのだ。