家族に裏切られ全てを奪われた私は、辺境地に住む強くて心優しい彼に出逢い、沢山の愛と優しさに触れながら失ったモノを取り戻す
「大丈夫だ、そうならないように、俺が居る。例え俺の命が尽きても、お前の事だけは逃してやるから、心を強く持て、エリス」
「……ギルバートさん……」

 ギルバートの言葉に、震えていたエリスの身体は少しずつ落ち着きを取り戻していく。

「……守ってもらえるのは、凄く心強いです。でも、私のせいでギルバートさんにもしもの事があるのは、嫌です……。ごめんなさい、私、凄く我侭な事、言っていますよね」
「そんな事は無い。分かった、それならば約束しよう。俺もお前も助かる最善の方法を考える。だから、心配するな」
「はい、あの、私も、強くなります。力は無理かもしれないけど、心を強く持ちます、もう、すぐに落ち込んだりしません」
「ああ、お前はそれでいい。よし、そろそろ行くか」
「はい」

 エリスに元気が戻った事もあり、日が暮れる前に町まで着きたいギルバートは出発を提案し、再びリュダの背に乗った二人は先を急ぐ。

 そして、何とか日が暮れ前にセネル国へ辿り着いた二人は物々しい雰囲気に包まれた町を前に思わず息を呑んだ。

 王都よりも離れた町に滞在する事を選んだギルバートはひとまず宿屋を取る。

「お客さん、三日後の葬儀に参列する為にここへ来たのかい?」
「いや、そういう訳では……。葬儀と言うが、何かあったのか?」

 情報を得る為にあえて知らない振りをしたギルバートは宿屋の主人から話を聞いた。
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