奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
学者という身分を用意したディーデリックは、調査のためにあちこちに赴いていて、この屋敷に帰ってくるのは時々ということになっているそうだ。
エリュシアと二人きりでこもっているのは勉強だけではなく、秘密の魔道具の開発に学者としてのディーデリックが協力しているからだとも説明しているらしい。
「だからって、おかしいとは思わないかしら?」
「問題ないさ。この屋敷にいるのはトーマスが信頼している者ばかりだし、『エリア』の開発した魔道具は実際有用だろう?」
そう言って彼は笑うけれど、今でも信じられない。彼と、こんな時間を過ごしているなんて。
かつては同じように向かい合っていても、会話の内容にも注意しなければならなかった。手を触れ合わせるなんて、あり得なかった。
誰に聞かれても問題のない当たり障りのない会話を交わし、ただ、気持ちは搦め合わせた視線に込めるだけ。
それでも、あの頃のエリュシアにとってはそれが救いだった。
こうして時を遡って再会して、あの頃感じていた気持ちがエリュシアの思い込みだけではなかった――それを知った今、彼への気持ちがさらに膨れ上がっているのを自覚する。
エリュシアと二人きりでこもっているのは勉強だけではなく、秘密の魔道具の開発に学者としてのディーデリックが協力しているからだとも説明しているらしい。
「だからって、おかしいとは思わないかしら?」
「問題ないさ。この屋敷にいるのはトーマスが信頼している者ばかりだし、『エリア』の開発した魔道具は実際有用だろう?」
そう言って彼は笑うけれど、今でも信じられない。彼と、こんな時間を過ごしているなんて。
かつては同じように向かい合っていても、会話の内容にも注意しなければならなかった。手を触れ合わせるなんて、あり得なかった。
誰に聞かれても問題のない当たり障りのない会話を交わし、ただ、気持ちは搦め合わせた視線に込めるだけ。
それでも、あの頃のエリュシアにとってはそれが救いだった。
こうして時を遡って再会して、あの頃感じていた気持ちがエリュシアの思い込みだけではなかった――それを知った今、彼への気持ちがさらに膨れ上がっているのを自覚する。