奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
「……これはこれは伯爵夫人。本日は、お招きいただき、ありがとうございます」
招かれたのは、商人を招いて商談をするための部屋なのだろう。素早く視線を走らせる。
上質なものではあるが、あくまでもこの部屋で対応するのは商人のみ。置かれている家具が上質ではあれど最上級ではなさそうなあたりからそう判断した。
「それで、今日は娘を連れてきたのかしら?」
「これは私の弟子、のようなものです。宝石を見る目を養っているところでして」
侍女と執事を連れて部屋に入ってきた伯爵夫人は、トーマスとエリュシアを交互に見た。それから、ソファに腰を下ろし、二人も彼女の正面に座るよううながす。
「宝石を? こんな若いお嬢さんが?」
口を開いてもいいという合図が、伯爵夫人からエリュシアに向けられる。立ち上がって一礼したエリュシアは、宝石のケースを持ってするすると伯爵夫人に近づいた。
「このような品を、将来商いたいと思っております」
差し出したビロードのケースに収められているのは、銀の台座にガーネットをあしらった揃いの装身具だった。
招かれたのは、商人を招いて商談をするための部屋なのだろう。素早く視線を走らせる。
上質なものではあるが、あくまでもこの部屋で対応するのは商人のみ。置かれている家具が上質ではあれど最上級ではなさそうなあたりからそう判断した。
「それで、今日は娘を連れてきたのかしら?」
「これは私の弟子、のようなものです。宝石を見る目を養っているところでして」
侍女と執事を連れて部屋に入ってきた伯爵夫人は、トーマスとエリュシアを交互に見た。それから、ソファに腰を下ろし、二人も彼女の正面に座るよううながす。
「宝石を? こんな若いお嬢さんが?」
口を開いてもいいという合図が、伯爵夫人からエリュシアに向けられる。立ち上がって一礼したエリュシアは、宝石のケースを持ってするすると伯爵夫人に近づいた。
「このような品を、将来商いたいと思っております」
差し出したビロードのケースに収められているのは、銀の台座にガーネットをあしらった揃いの装身具だった。