奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
「……どういうこと?」

 侍女を見た伯爵夫人が、声を上げる。
 おそらくそれは、詳細に見なければわからない程度の変化。魔道具の効能としては、小さなものでしかなかった。
 だが、美を追求する人には、喉から手が出るほど欲しいものだろう。身に付けるだけで、肌を美しく見せてくれるのだから。

「これは、どういう仕組みなの?」
「身に付けた方の魔力を吸い上げ、目に見えないほどの光として肌にまとわせるというものです」

 これまた、母の設計書の中にあったものを改良した魔道具だった。
母は、身に付けた者の年齢を若く見せるものとして検討していたようだ。姿変えの魔道具の応用でもある。
 だが、エリュシアはそれを『肌を美しく見せる』効能に特化させて改良した。
 若く見えるほど姿を変えてしまうと、魔道具の使用を禁じている場所では使えないほどの魔力を発してしまうからだ。母が開発を断念した事情も、そのあたりにあるのだろう。
 だが、エリュシアの改良で、『着用した本人が肉眼では察知できないほどわずかに光る』という効能しか持たなくなった。
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