奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
貴族相手の商売を始めたトーマスも、さすがにドミニクを工房に招くとなると緊張せずにはいられない様子だった。
「ドミニク様、お待ちしておりました」
ドミニクを招き入れるトーマスの声が震えている。エリュシアが落ち着き払った様子なのに、トーマスはこちらに感嘆したような目を向けた。
(私も、緊張してはいるのだけれど……)
エリュシアも、別の意味で緊張している。ドミニクをどれだけ長く工房にとどめていられるかは、エリュシアの腕にかかっているのだから。
「それで、新たな魔道具の設計書を見せてもらえるという話だったな?」
「は、はい。こちらにどうぞ」
エリュシアは、接客をするための部屋にドミニクを招き入れる。
ある程度上質の品で調えてはいるが、宮中で最上級の品々を見慣れているドミニクの目からすれば、質素に見えるのだろう。
室内を見まわした彼は、はん、と鼻を鳴らした。
部屋の隅に、客人の対応をするには不似合いな大きな魔道具が置かれているのにも気が付いたようだ。
それには気づいていないふりで、エリュシアはドミニクの前に魔道具の設計書を広げた。
「これは……なんだ……?」
「ドミニク様、お待ちしておりました」
ドミニクを招き入れるトーマスの声が震えている。エリュシアが落ち着き払った様子なのに、トーマスはこちらに感嘆したような目を向けた。
(私も、緊張してはいるのだけれど……)
エリュシアも、別の意味で緊張している。ドミニクをどれだけ長く工房にとどめていられるかは、エリュシアの腕にかかっているのだから。
「それで、新たな魔道具の設計書を見せてもらえるという話だったな?」
「は、はい。こちらにどうぞ」
エリュシアは、接客をするための部屋にドミニクを招き入れる。
ある程度上質の品で調えてはいるが、宮中で最上級の品々を見慣れているドミニクの目からすれば、質素に見えるのだろう。
室内を見まわした彼は、はん、と鼻を鳴らした。
部屋の隅に、客人の対応をするには不似合いな大きな魔道具が置かれているのにも気が付いたようだ。
それには気づいていないふりで、エリュシアはドミニクの前に魔道具の設計書を広げた。
「これは……なんだ……?」