奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
「暑い夏、快適に過ごすための魔道具、と考えてください」

 エリュシアが持ち出した設計図は、室内を涼しくするための魔道具だった。

「冷室機と名付けました。ただ、問題はとても魔道具が大きくなってしまって……」

 冷室機もまた、母の設計書に概念だけはあったものだ。
 母は、これに関しては詳細な設計をするところまではいたっていなかったらしい。
 これは、エリュシアが母のアイディアを形にしたものだ。
 試作もしたのだが、気軽に持ち歩ける大きさではなくなってしまった。

「これは、大きくなるだろうな……」

 室内の空気を取り込み、冷やして、室内に戻す。その時、柔らかな風と共に吐き出すことにより、涼を得られるというものなのだ。
 できるだけ小型化したかったのだが、室内に空気を循環させねばならない関係で、現在の試作機は、机ほどの大きさがある。
 中に使用する魔宝石も大きく、稼働させるために大量の魔力を必要とする。

「試作機はできたのですが、ドミニク様のところまでお届けするわけにはいかなくて……試してみていただけますか?」

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