奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
「録音機と名付けました。こちらは、音を記録することができます」
「なんと!」

 音を記録する機械は、いずれ使うことになるだろうと思っていた。
 もし、犯人達の自白が必要となった時に、自白した音声があるのとないのとでは大きく変わると思ったのだ。
 音を記録する魔術はあるが、それを魔道具という形にしたものはなかった。エリュシアはさらに、別の魔道具の設計図を出す。

「こちらはその録音機で記録したものを再生するための魔道具です。再生機と呼んでおります」

 録音機に、『記録板』と名付けた板を差し込む。そうすると、録音機の前での物音が、記録板に記憶される。
 次にその記録板を、再生機に差し込む。再生機の方で、記録された音声がそのまま再生されるのだ。

「このようなもの、必要か?」
「……こちらも、試作機がございます」

 トーマスが、テーブルの上に録音機と再生機を置く。そして、再生機に記録板を差し込み、再生を始めた。
『……これは、最初の設計です。そして、こちらが改良版の設計です』

『どのあたりが改良されているのだ?』

 流れてきたのは、エリュシアの声とドミニクの声。

< 142 / 279 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop