奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
「王立劇場で演奏されたものです。高名な演奏者に依頼し、記録させていただきました」

 音楽が途中でとめられ、また次の記録板が差し込まれる。今度流れてきたのは、王宮でよく踊られている舞踏曲だ。
 また、記録板が変わる。最後は、女性歌手の歌声。しばしば王宮に招かれて歌を披露するほど人気も技量も高い歌手だ。

「……なるほど。今まではその場に居合わせなければ聞くことのできなかった演奏を、屋敷でも聞けるというわけか。この記録板さえあれば」
「はい。たとえば、貴族の方々は屋敷でダンスを学ぶと聞いております。そういった時にも役だつのではないでしょうか。それに、記録板の方は簡単に複製できるように考えておりますので、複製した数だけ同じものをご用意できます」

 続くトーマスの言葉に、ドミニクの目がまん丸になる。そういった使い方までは想定できていなかったらしい。

「なんでも記録できるのか?」
「録音機さえご用意いただけましたら」
「何枚でも記録板を作れるのか?」
「複製機が完成したら可能でございます」

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