奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
「ありがとうございます! 私も、この者を大切に思っているのです。ドミニク様の保護を得られたならば、この娘はもっと様々な魔道具を作り出すことでしょう」

 そう叫んだトーマスの口調は、真実味がこもっていた。
 商人としては、ドミニクにエリュシアを売りこめたというのは大きな実績になるはずだ。

「なあに、エリアへの行いが広まれば、魔道具師ギルドから追放できるだろう。こちらとしても、悪人を魔道具師ギルドの長にしておくわけにはいかなかったから、ありがたいのだよ」

 と、ドミニクは笑っている。
 シャリーンに対しての憎しみがよほどたまっているようだ。

「ドミニク様、よろしければこの後我が家においでになりませんか? 先日、上質な酒の入手に成功したのです。ただ、数が少なく大々的に売り出すわけにもいきませんで……もし、ドミニク様のお口に合えば、差し上げたいと考えていたのです」
「なんと、そなたは気が利くな! よし、エリア。録音機、再生機、複製機は早々に完成させろ。冷室機は、そのあとでいい――録音機で、あの女の悪事を記録するのだ」
「はい!」

< 146 / 279 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop