奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
今の人生が、一度目の人生と大きく変化しているのはわかっている。
それでも、あの時、何があったのかわからないのは怖かった。
「それと、もうひとつ――近いうちに、クラニウス王国に行かねばならなくなった」
「……クラニウス王国に?」
今度は、エリュシアが裏返った声を上げる番だった。
一度目の人生では、彼がクラニウス王国を訪れたことはなかった。だが、今回は彼自身が王国を訪問するという。
「そこで、王女に婚約の申し込みをするように、と」
「……婚約!?」
また、大きく歴史が変化している。
一度目の人生では、ザフィーラに婚姻を申し込んできたのは皇帝だった。それも使いを寄こし、一方的に通達してきただけ。
だが、今回の人生では、ディーデリックが王国を訪問して『王女』に求婚するのだという。
エリュシアは死んだことになっているし、他の王女はもう嫁いでいる。となると、残っている王女はザフィーラだけだ。
(……嫌だわ)
そんな風に思った自分に驚いた。
一度目の人生では、ザフィーラは皇帝へ嫁ぐことを厭い、エリュシアを代役に立てた。
それでも、あの時、何があったのかわからないのは怖かった。
「それと、もうひとつ――近いうちに、クラニウス王国に行かねばならなくなった」
「……クラニウス王国に?」
今度は、エリュシアが裏返った声を上げる番だった。
一度目の人生では、彼がクラニウス王国を訪れたことはなかった。だが、今回は彼自身が王国を訪問するという。
「そこで、王女に婚約の申し込みをするように、と」
「……婚約!?」
また、大きく歴史が変化している。
一度目の人生では、ザフィーラに婚姻を申し込んできたのは皇帝だった。それも使いを寄こし、一方的に通達してきただけ。
だが、今回の人生では、ディーデリックが王国を訪問して『王女』に求婚するのだという。
エリュシアは死んだことになっているし、他の王女はもう嫁いでいる。となると、残っている王女はザフィーラだけだ。
(……嫌だわ)
そんな風に思った自分に驚いた。
一度目の人生では、ザフィーラは皇帝へ嫁ぐことを厭い、エリュシアを代役に立てた。