奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
 エリュシアのことはほぼ放置してしまっていたが、エルフリーダがきちんと教育をしていたから、あれはあれで問題なかったのだ。

(そうそう、エリュシアはまだ縁談が決まっていなかったな……)

 エリュシアが戻ってきたならば、失ったと思った駒が復活する。悪い話ではない。

「そうだな。トーマスにはすぐに面会しよう。エリュシアを連れてくるようにとも言ってくれ」

 何はともあれ、王女を保護したというのであれば、すぐに会わなければ。
 トーマスが何を考えているかは、顔を合わせたその時に判断すればいい。
 この国が終わりに向かっていることを、彼は認識していなかった。

 * * *



 父に使いを出したエリュシアは、皇帝から王国への使者が出されるよりも前に王国に戻っていた。

「エリュシア様、落ち着いていますね」
「……そうかしら?」

 父が、エリュシアの生存を認めてくれるかはわからない。
 けれど、『死んだと思われていたが実は生きていた王女』の噂を放置しておくはずはないだろうと思っていた。
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