奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
「と、とにかく! 近いうちにアスタリア帝国の皇太子殿下がお見えになるの。私への求婚のためよ。だから、あなたはおとなしくしていなさい」
そろそろディーデリックからの使者が到着する頃だとは思っていたが、話を聞いたとたんザフィーラが離宮に押しかけてくるのは想定外だった。
「あなた、帝国で暮らしていたのですってね? 殿下が、どんな人なのか教えなさいよ」
なるほど、本題はこちらだったか。
姉妹の中で一番いい相手でなければ嫁がないというザフィーラの発言が許されたのは、彼女が正妃の娘だからである。
国王も、正妃デリアのことは尊重していたようだ――多数の側妃を持つのは、この国の王としての義務だからだ。だが、デリアはそれが許せなかったのだろう。
「何かないの? 帝国で暮らしていたのだから、何か知っているでしょう? 私は、ディーデリック様と結婚しなければならないのよ」
許されてもいないのに、名前で呼ぶのか。
王女としての教育はどこへ行ってしまったのかと呆れたけれど、エリュシアだって人のことは言えない。なにしろ、王女としての教育を受けられたのは、ごくわずかな期間だけだったので。
そろそろディーデリックからの使者が到着する頃だとは思っていたが、話を聞いたとたんザフィーラが離宮に押しかけてくるのは想定外だった。
「あなた、帝国で暮らしていたのですってね? 殿下が、どんな人なのか教えなさいよ」
なるほど、本題はこちらだったか。
姉妹の中で一番いい相手でなければ嫁がないというザフィーラの発言が許されたのは、彼女が正妃の娘だからである。
国王も、正妃デリアのことは尊重していたようだ――多数の側妃を持つのは、この国の王としての義務だからだ。だが、デリアはそれが許せなかったのだろう。
「何かないの? 帝国で暮らしていたのだから、何か知っているでしょう? 私は、ディーデリック様と結婚しなければならないのよ」
許されてもいないのに、名前で呼ぶのか。
王女としての教育はどこへ行ってしまったのかと呆れたけれど、エリュシアだって人のことは言えない。なにしろ、王女としての教育を受けられたのは、ごくわずかな期間だけだったので。