奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
側妃として、後宮内に建物を賜り、そこで生活していたと聞いている。エリュシアが嫁ぐ以前に亡くなったそうで、顔を合わせたことはないけれど。
「……娘はふたりいる。ザフィーラとエリュシアだ」
「ザフィーラでございます」
鮮やかな赤いドレスをまとったザフィーラが、ディーデリックに向かって微笑みかけ、そして頭を下げて挨拶する。
「エリュシアでございます」
ゆっくりと一礼する。
彼との『初対面』に選んだのは、水色のドレスだった。エリュシアの白い肌によく映える。
細い首にぐるりと巻きついているのは、金と真珠を繋ぎ合わせた首飾り。耳飾りと腕輪も合わせてある、エリュシア渾身の作品だ。
肌の色を美しく見せる効果しかないのに、なぜか、エリュシア自身の存在感を高めている。
そう、今のエリュシアはどうしようもないほどに人々の印象に残るはずだ。
平民の娘、忘れ去られた離宮の王女。その王女の堂々たる帰還を、ここで改めて印象付ける。
「どちらの姫君に求婚するかじっくり考えさせていただいても?」
父の言葉を最後まで待たず、ディーデリックは切り出した。
「……娘はふたりいる。ザフィーラとエリュシアだ」
「ザフィーラでございます」
鮮やかな赤いドレスをまとったザフィーラが、ディーデリックに向かって微笑みかけ、そして頭を下げて挨拶する。
「エリュシアでございます」
ゆっくりと一礼する。
彼との『初対面』に選んだのは、水色のドレスだった。エリュシアの白い肌によく映える。
細い首にぐるりと巻きついているのは、金と真珠を繋ぎ合わせた首飾り。耳飾りと腕輪も合わせてある、エリュシア渾身の作品だ。
肌の色を美しく見せる効果しかないのに、なぜか、エリュシア自身の存在感を高めている。
そう、今のエリュシアはどうしようもないほどに人々の印象に残るはずだ。
平民の娘、忘れ去られた離宮の王女。その王女の堂々たる帰還を、ここで改めて印象付ける。
「どちらの姫君に求婚するかじっくり考えさせていただいても?」
父の言葉を最後まで待たず、ディーデリックは切り出した。