奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
「君のその表情を見られるのは、新鮮だな」
「……まじめにやってください!」
ひそひそと囁き合ったのはほんの一瞬のこと。だが、その間に、二人を見ている皆の意識が変わったことに気が付いた。
ディーデリックとエリュシアの間に、一瞬にして深い信頼関係が築かれたように皆の目には映っているだろう。
本当は、一度目の人生から繋いだ絆だ。ここにいる誰も知らないけれど。
夜会用のドレスに着替えるために一度部屋に戻ったら、メリアが国王の訪れを告げた。
「……何か、御用でしょうか?」
「あ、あー……そうだな。今夜のドレスは用意できているか」
帰国以来、初めてエリュシアの部屋を訪れた国王は、気まずそうな表情をしている。
「ええ、もちろん。トーマスが、責任を持って届けてくれました」
「そうか。では、宝石をやろう」
「必要ありません。トーマスが届けてくれたものがありますから」
ドレスを用意できていないと言ったら、慌てて準備してくれるつもりだったのだろうか。
エリュシアが戻ってきてからも、そのあたりにはいっさい口を挟まなかったくせに。
「……まじめにやってください!」
ひそひそと囁き合ったのはほんの一瞬のこと。だが、その間に、二人を見ている皆の意識が変わったことに気が付いた。
ディーデリックとエリュシアの間に、一瞬にして深い信頼関係が築かれたように皆の目には映っているだろう。
本当は、一度目の人生から繋いだ絆だ。ここにいる誰も知らないけれど。
夜会用のドレスに着替えるために一度部屋に戻ったら、メリアが国王の訪れを告げた。
「……何か、御用でしょうか?」
「あ、あー……そうだな。今夜のドレスは用意できているか」
帰国以来、初めてエリュシアの部屋を訪れた国王は、気まずそうな表情をしている。
「ええ、もちろん。トーマスが、責任を持って届けてくれました」
「そうか。では、宝石をやろう」
「必要ありません。トーマスが届けてくれたものがありますから」
ドレスを用意できていないと言ったら、慌てて準備してくれるつもりだったのだろうか。
エリュシアが戻ってきてからも、そのあたりにはいっさい口を挟まなかったくせに。