奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
 彼らのうち、誰か一人でも味方してくれたなら、エリュシアはあそこまで孤独ではなかったはずだ。
 彼らがどれだけ期待しようが、無駄だ。帝国からはなんの優遇措置もとらないと彼らが知った頃、王家のエリュシアに対する冷遇について改めて噂を広めるつもりだ。
 勝手な期待を裏切られた彼らの恨みは、王家に向かうだろう。
 王家が凋落し始めたら、その時には救いの手を差し伸べてやろうか。
 国王は、エリュシアが国を乗っ取っていく様を間近で見ればいい。それは、王族への復讐だ。

「ディーデリック様は、ダンスはなさいませんの? いえ、エリュシアは踊れませんでしたわね……よろしかったら、わたくしが代役を」

 すっと近づいてきたのはザフィーラだ。彼女がまとっているのは、鮮やかな黄色のドレス。
 レースがふんだんに使われており、彼女の美貌を引き立てている。
 スカートには、びっしりとビーズ刺繍が施されていて、ザフィーラが動く度に、光を反射してキラキラと煌めいていた。

「エリュシア王女以外と踊るつもりはないと言ったはずだ――それに、名前で呼ぶ許しを与えた覚えはない」

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