奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
「私と、ですか?」
「いや、そうではなく」
ヴァルスはちらりとディーデリックに目を向ける。彼が本命か。
「断る」
「……だが」
「今、ここで話す必要などない。俺は、楽しんでいるんだ。それを邪魔するなんて、無粋だぞ」
そう言い放つなり、ディーデリックは立ち上がった。つられるように、エリュシアも立ち上がる。
「ディーデリック皇太子!」
なおもヴァルスはディーデリックを呼び止めようとしたけれど、彼は振り返らなかった。
エリュシアを連れ、再び広間の中央へと移動していく。
「よかったのですか?」
「いいんだ。立場の違いをわからせてやらないとな」
ディーデリックがにやりとする。彼がそう言うのなら、それでいいか。
ディーデリックに付け入る隙はないが、エリュシアならまだ話をしやすいと思わせておいた方がいいかもしれない。
ちらりと振り返った時、ヴァルスが膝に拳を叩きつけるのが見えた。
* * *
勢いよく扉を開けて入ってきたザフィーラは、無作法な勢いでソファに腰を落とした。ヴァルスは、妹を睨みつける。
「おい、ザフィーラ。行儀悪いぞ」
「いや、そうではなく」
ヴァルスはちらりとディーデリックに目を向ける。彼が本命か。
「断る」
「……だが」
「今、ここで話す必要などない。俺は、楽しんでいるんだ。それを邪魔するなんて、無粋だぞ」
そう言い放つなり、ディーデリックは立ち上がった。つられるように、エリュシアも立ち上がる。
「ディーデリック皇太子!」
なおもヴァルスはディーデリックを呼び止めようとしたけれど、彼は振り返らなかった。
エリュシアを連れ、再び広間の中央へと移動していく。
「よかったのですか?」
「いいんだ。立場の違いをわからせてやらないとな」
ディーデリックがにやりとする。彼がそう言うのなら、それでいいか。
ディーデリックに付け入る隙はないが、エリュシアならまだ話をしやすいと思わせておいた方がいいかもしれない。
ちらりと振り返った時、ヴァルスが膝に拳を叩きつけるのが見えた。
* * *
勢いよく扉を開けて入ってきたザフィーラは、無作法な勢いでソファに腰を落とした。ヴァルスは、妹を睨みつける。
「おい、ザフィーラ。行儀悪いぞ」