奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
 魔道具師ギルドに届けなくても、魔道具を作ることはできるけれど、新たな魔道具を発明した時、ここに届けておけば権利を守ってもらえる。魔道具を卸す商人を紹介してもらったり、工房を借りたりすることもできる。
 魔道具師としては、登録しておきたい組織だ。正式な魔道具師として認められたら、出来上がった魔道具を卸す先にも困らない。離宮を離れても生きていけるだろう。

 翌日。

「ねえ、マルタ……具合が悪いの。頭が痛いわ」
「だから、なんだっていうんです?」

 あいかわらずマルタの言動は、王女に対するものではない。

「食欲もないから、お水だけ置いておいてもらえないかしら……薬は、前にもらったものがあるから。何かあったら、ベルで呼ぶわ」

 じっとエリュシアを見ていたマルタは、はーっとため息をついた。

「まったく。水を持ってくるのだって大変なんですからね! だいたいベルで呼ぶって、いちいちここまで来ないといけないじゃないですか」

 と、恩着せがましく言っておいて、一度部屋を出ていく。戻ってきた時には、水差しとグラスを持っていた。

「私も忙しいんですからね。面倒はかけないでくださいね」

< 21 / 279 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop