奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
クラニウス王国中興の祖と歴史書に書かれるかもしれない。そんな未来を夢見て、ヴァルスは妹に微笑みかける。
「では、もう一度面会を申し込んでみよう。俺達には、動機がないと見せておかねばな」
ディーデリックやエリュシアと距離を縮めようとしたという実績は必要だ。ザフィーラの計画がうまくいけば、エリュシアは死ぬ。
そして、ザフィーラが帝国に嫁ぐ。うまくいけば、ザフィーラを利用して帝国を乗っ取ることもできるかもしれない。
そうなったら、クラニウス王国中興の祖どころか、クラニウス帝国初代皇帝だ。響きとしては悪くない。
(慎重に動かねばな……)
毒の調達に思考を巡らせているザフィーラを見ながら、ヴァルスはディーデリックへの手紙の文面を考え始めた。
* * *
ディーデリックは、客人用に用意されている宮に滞在している。エリュシアは、茶会用のドレスをまとって、彼の宮を訪問した。
モスグリーンの茶会用ドレスは、新しく仕立てたものだ。襟は白く、レースで縁どられている。腰のリボンは、ドレス本体より少し色が濃い。
「では、もう一度面会を申し込んでみよう。俺達には、動機がないと見せておかねばな」
ディーデリックやエリュシアと距離を縮めようとしたという実績は必要だ。ザフィーラの計画がうまくいけば、エリュシアは死ぬ。
そして、ザフィーラが帝国に嫁ぐ。うまくいけば、ザフィーラを利用して帝国を乗っ取ることもできるかもしれない。
そうなったら、クラニウス王国中興の祖どころか、クラニウス帝国初代皇帝だ。響きとしては悪くない。
(慎重に動かねばな……)
毒の調達に思考を巡らせているザフィーラを見ながら、ヴァルスはディーデリックへの手紙の文面を考え始めた。
* * *
ディーデリックは、客人用に用意されている宮に滞在している。エリュシアは、茶会用のドレスをまとって、彼の宮を訪問した。
モスグリーンの茶会用ドレスは、新しく仕立てたものだ。襟は白く、レースで縁どられている。腰のリボンは、ドレス本体より少し色が濃い。