奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
第七章 私には、『家族』なんていない
ディーデリックとの婚約話が進んでいる今、エリュシアの周囲は自然と騒がしくなっていた。
帝国に嫁ぐかもしれないエリュシアと誼(よしみ)を通じておきたい貴族達から、茶会や夜会への招待状がひっきりなしに届くようになったのだ。
その裏には、エリュシアがディーデリックを同伴するのを期待しているという事情がある。
クラニウス王国の貴族に招待された茶会から離宮に戻ってきたエリュシアは、室内の違和感に気を取られた。
(……あら?)
棚の上に置いていた本の位置が変わっている。それに、テーブルにかけられている布もずれていた。
誰か、侵入したようだ。
「……困ったものね」
と言いつつ、エリュシアの唇は弧を描いていた。
あえて警備は手薄にしているから、こういう事件が起こるのは想定内だ。となれば、まずは魔道具を確認しようか。
「……さて、と」
室内に置いてあったランプを持ち上げる。侵入者は、どこの誰だろうか。
誰もこれが魔道具だとは気づいていないだろう。魔道具の向きを壁に変えてスイッチを入れる。
帝国に嫁ぐかもしれないエリュシアと誼(よしみ)を通じておきたい貴族達から、茶会や夜会への招待状がひっきりなしに届くようになったのだ。
その裏には、エリュシアがディーデリックを同伴するのを期待しているという事情がある。
クラニウス王国の貴族に招待された茶会から離宮に戻ってきたエリュシアは、室内の違和感に気を取られた。
(……あら?)
棚の上に置いていた本の位置が変わっている。それに、テーブルにかけられている布もずれていた。
誰か、侵入したようだ。
「……困ったものね」
と言いつつ、エリュシアの唇は弧を描いていた。
あえて警備は手薄にしているから、こういう事件が起こるのは想定内だ。となれば、まずは魔道具を確認しようか。
「……さて、と」
室内に置いてあったランプを持ち上げる。侵入者は、どこの誰だろうか。
誰もこれが魔道具だとは気づいていないだろう。魔道具の向きを壁に変えてスイッチを入れる。