奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
手を振って、茶を出すよう合図する。
「焦ってはいけませんわ。お異母兄様。彼女にだって、選ぶ権利はございますのよ――ああ、お茶が入ったようね。どうぞ、召し上がってくださいな」
離宮にちゃんとしたティーセットはなかったから、新しいものを用意してもらった。銀のティーカップに注がれた紅茶は、美しい色合いをしている。
出されたカップに、最初に口をつけたのはヴァルスだった。
「ふむ、悪くはないな」
「私も初めていただくのよ。お兄様のお好みに合ったのなら、少し買い付けようかしら」
続いて口にしたザフィーラも、数度軽くうなずいた。
彼女の中で、とても好みというわけではなさそうだが、最低限の合格点は叩きだしたようだ。
「よかった。これ、私の思い出の味なんです。母と、よくここでこうやってお茶の時間を楽しんだんですよ。この国の茶葉ですから、ぜひ、お使いになって」
「茶葉は、私が持ってきたでしょう!」
エリュシアが取り出した缶を見たザフィーラは、勢いよく立ち上がった。
胸に手を当てて、エリュシアを睨みつけている。はぁはぁと呼吸が荒くなり、額にはじわじわと汗をかきはじめていた。
「焦ってはいけませんわ。お異母兄様。彼女にだって、選ぶ権利はございますのよ――ああ、お茶が入ったようね。どうぞ、召し上がってくださいな」
離宮にちゃんとしたティーセットはなかったから、新しいものを用意してもらった。銀のティーカップに注がれた紅茶は、美しい色合いをしている。
出されたカップに、最初に口をつけたのはヴァルスだった。
「ふむ、悪くはないな」
「私も初めていただくのよ。お兄様のお好みに合ったのなら、少し買い付けようかしら」
続いて口にしたザフィーラも、数度軽くうなずいた。
彼女の中で、とても好みというわけではなさそうだが、最低限の合格点は叩きだしたようだ。
「よかった。これ、私の思い出の味なんです。母と、よくここでこうやってお茶の時間を楽しんだんですよ。この国の茶葉ですから、ぜひ、お使いになって」
「茶葉は、私が持ってきたでしょう!」
エリュシアが取り出した缶を見たザフィーラは、勢いよく立ち上がった。
胸に手を当てて、エリュシアを睨みつけている。はぁはぁと呼吸が荒くなり、額にはじわじわと汗をかきはじめていた。