奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
「あら、せっかくですから、お異母兄様にもお異母姉様にも私の好きな茶葉を味わっていただきたくて」
彼らに出したのは、母とよく飲んでいた茶ではない。母との一番の思い出の味は、薬草茶だ。彼らに渡すにはもったいなさすぎる。
実を言うと毒を混入されたのも、母との思い出の味ではない茶葉だ。母が好んで飲んでいた紅茶の缶を置いておいたが、事前に缶の中身は入れ替えてある。
「それは……お前、はかったわね!」
「どういう意味かしら? 私がはかったとは? 私が、お二人に毒を盛ったとでも言いたいのかしら」
くすくすと笑いながら、エリュシアは二人の目の前で缶を揺らした。
それは、まさしくザフィーラの侍女が細工した缶と同じもの。
「私、本当はこの茶葉をミルクで煮出してミルクティーにするのが好きなんですよ。母がそうやって、用意してくれたから」
「そ、その缶は……」
目の前がぐらぐらしてきたといった風情で、ザフィーラはソファに倒れ込みそうになる身体を支えていた。
「お前! わかっていてやったわね! その缶には毒……」
ザフィーラの言葉に、ヴァルスははっとしたようすでティーカップを見つめた。
彼らに出したのは、母とよく飲んでいた茶ではない。母との一番の思い出の味は、薬草茶だ。彼らに渡すにはもったいなさすぎる。
実を言うと毒を混入されたのも、母との思い出の味ではない茶葉だ。母が好んで飲んでいた紅茶の缶を置いておいたが、事前に缶の中身は入れ替えてある。
「それは……お前、はかったわね!」
「どういう意味かしら? 私がはかったとは? 私が、お二人に毒を盛ったとでも言いたいのかしら」
くすくすと笑いながら、エリュシアは二人の目の前で缶を揺らした。
それは、まさしくザフィーラの侍女が細工した缶と同じもの。
「私、本当はこの茶葉をミルクで煮出してミルクティーにするのが好きなんですよ。母がそうやって、用意してくれたから」
「そ、その缶は……」
目の前がぐらぐらしてきたといった風情で、ザフィーラはソファに倒れ込みそうになる身体を支えていた。
「お前! わかっていてやったわね! その缶には毒……」
ザフィーラの言葉に、ヴァルスははっとしたようすでティーカップを見つめた。