奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
カップの中身は、美しい紅茶色。銀に反応する毒もあるとはいうが、カップは変色していない。
それから、ヴァルスはエリュシアに目を向ける。彼女がカップに手をつけていないのに、今気が付いたのだろう。
顔色を変えて、喉に手を当てる。息苦しくなってきたのだろうか。
「やっぱり、紅茶は封を切ったばかりのものが一番いい香りがしますよね。おふたりのために、新しい缶を開けましたの。見ていませんでした?」
なおもくすくす笑いを続けながら、メリアの方に目を向ける。彼女は、心得顔でうなずいて見せた。
事前に、ディーデリックとザフィーラが来たならば、新しい缶を開けるようにと命じておいたのだ。
(紅茶の香りが違うのに、ザフィーラが気づいたらどうしようかと思ったけれど……)
どうやら、彼女はそこには気づかなかったようだ。
「新しい缶を開けたのですから、毒なんて入っていませんよ? お異母姉様ってば、少々神経質なのではなくて?」
「し、失礼するわ!」
自分がはめられたことに気づいたらしいザフィーラは、身を翻して立ち去る。
それから、ヴァルスはエリュシアに目を向ける。彼女がカップに手をつけていないのに、今気が付いたのだろう。
顔色を変えて、喉に手を当てる。息苦しくなってきたのだろうか。
「やっぱり、紅茶は封を切ったばかりのものが一番いい香りがしますよね。おふたりのために、新しい缶を開けましたの。見ていませんでした?」
なおもくすくす笑いを続けながら、メリアの方に目を向ける。彼女は、心得顔でうなずいて見せた。
事前に、ディーデリックとザフィーラが来たならば、新しい缶を開けるようにと命じておいたのだ。
(紅茶の香りが違うのに、ザフィーラが気づいたらどうしようかと思ったけれど……)
どうやら、彼女はそこには気づかなかったようだ。
「新しい缶を開けたのですから、毒なんて入っていませんよ? お異母姉様ってば、少々神経質なのではなくて?」
「し、失礼するわ!」
自分がはめられたことに気づいたらしいザフィーラは、身を翻して立ち去る。