奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
「見つかりますか? ディーデリック様の部下の方を信じていないわけではなくて……王国では勝手の違うことも多いでしょうし」
「問題ない」

 断言すれば、エリュシアはほっとしたように息をついた。
 こうしていると、一度目の人生では甘かったのだとつくづくと思い知らされる。父の手から権力を奪いたいのであれば、もっとやりようもあったはずだ。
 だが、一度目の人生では父にはまったく及ばなかった。時々、エリュシアの宮を訪れ、他の妃達と同じレベルの交流を持つのがせいぜいで。
 視線をかわすしかなかったあの頃と比べたら、確実にふたりの関係は変化している。

(だが、もっと力が必要だ)

 今のままでは、まだ、あの男には届かない。
 暗殺を計画したこともある。だが、あの男の周囲は厳重に守られていて、暗殺するのは不可能だった。
 そもそも、毎晩どこで眠っているのかさえも不明だ。
 一度、手の者を放ったことがあるのだが、どこで眠っているのか見つからないまま戻ってきた。自分の寝室にも、妃達の寝室にもいなかったようだ。

「ディーデリック様……?」

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