奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
 ふと考え込んでいたからか、エリュシアが不安そうな目を向けてきた。彼女に、心配させるつもりではなかったのに。

「すまない。少し、考え込んでいたようだ」
「……お疲れですか? このようなことに巻き込んでしまって……」
「巻き込まれたんじゃない。俺が、そうしたいと思ったからここにいるんだ」

 一度目の人生では、エリュシアも彼らのいいように使われてしまった。
 それに、エリュシアの母の敵だって取らねばならない。
 まずは、この毒をどこから入手したのか、調べなければ――手の者は、もう動き始めている。

 エリュシアは、帝国と王国では勝手が違うと言っていたが、二度目の人生で揃えた人材は優秀である。また、一度目の時とは違い、シャリーンの協力を得られたのも大きかった。
 彼女は様々な魔道具をディーデリックに譲ってくれて、部下達にそれらを使わせることができたのである。

「……お前か。毒を売ったのは」

 ディーデリックのもとに、ザフィーラに毒を売り渡した男が連れてこられたのは、調査を命じてから三日目のことだった。
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