奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
「クラニウス王家の者で、お前から毒物を買ったのは誰だ?」
「し、知らん!」
口に詰め込んだ布を取り去ってやると、男は首を横に振りながら叫んだ。
「話す気になったんじゃなかったのか」
再び短剣を振り上げると、彼は悲鳴じみた声を上げる。
「本当に知らないんだって! だが、王宮で働いている女なのは間違いない……おそらく、サーシウス子爵家の娘だ」
「なぜ、わかる?」
「父親の方と付き合いがある――ああ、表向きの仕事の方で、だ」
老人は、表向きは実直な商人として商会を運営しているそうだ。主な取り扱品目は、食品、衣類、そして薬。
有能な薬師を多数抱えており、彼の商会で商っている薬は効き目がいいと評判なのだそうだ。その一方、媚薬の類や毒物も裏ではこっそりと商っている。
毒と薬は表裏一体とはよく言ったものだ。だが、それらの薬を調合するのは最古参の薬師一人。どこかで噂を聞きつけた貴族や資産家が、伝手を通じて買い求めに来るのだそうだ。
サーシウス子爵とは食品の商いで、彼の領地で栽培されている果実を扱っており、屋敷に招かれたこともある。それで、娘の顔も知っていたという事情らしい。
「し、知らん!」
口に詰め込んだ布を取り去ってやると、男は首を横に振りながら叫んだ。
「話す気になったんじゃなかったのか」
再び短剣を振り上げると、彼は悲鳴じみた声を上げる。
「本当に知らないんだって! だが、王宮で働いている女なのは間違いない……おそらく、サーシウス子爵家の娘だ」
「なぜ、わかる?」
「父親の方と付き合いがある――ああ、表向きの仕事の方で、だ」
老人は、表向きは実直な商人として商会を運営しているそうだ。主な取り扱品目は、食品、衣類、そして薬。
有能な薬師を多数抱えており、彼の商会で商っている薬は効き目がいいと評判なのだそうだ。その一方、媚薬の類や毒物も裏ではこっそりと商っている。
毒と薬は表裏一体とはよく言ったものだ。だが、それらの薬を調合するのは最古参の薬師一人。どこかで噂を聞きつけた貴族や資産家が、伝手を通じて買い求めに来るのだそうだ。
サーシウス子爵とは食品の商いで、彼の領地で栽培されている果実を扱っており、屋敷に招かれたこともある。それで、娘の顔も知っていたという事情らしい。