奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
「それを決めるのは、お前ではない! それがどうして殺してもいいという話になる? お前は、自分に反抗できない者だけを刃にかけた。その証拠に、他の側妃も、子供達も無事ではないか。お前が、手を下したのは、エルフリーダ夫人だけだ」
「当り前じゃない! 高貴な血筋に、あの女もあの女の娘もふさわしくないわ! だから、殺してやったの!」

 証拠があるとディーデリックに言われ、デリアはもうあとがないと悟ったようだった。
 べらべらと口にしたのは、母への見下し。そして、母の命の軽さ。
 エリュシアは拳を握りしめた。
 この女が、母を奪ったのだ。
 テーブルの上に置かれていた銀のカップに手が伸びる。このカップを、彼女の顔に投げつけてやりたい。
 だが、左手で、右手を抑え込んだ。そんなことをしたって、なんにもならないのはわかっている。

「……ところで、クラニウス国王。母の件もそうですが、あなたの娘が、ディーデリック皇太子を殺害しようとした件については、どう判断しているのでしょう?」

 にっこりと笑って見せたけれど、その笑みが穏やかなものではないのは、エリュシアにもわかっていた。
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