奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
今まで聞こえなかった男性の声に振り返る。来た時には気づかなかったけれど、ヴァルスもこの牢に閉じ込められていたようだ。
エリュシアは、黙って彼を見ていた。彼も、エリュシアを見つめている。
「……悪かった、いろいろと」
「そうですか」
彼の謝罪は、あまりにも軽かった。
過去、暴力をふるったこともエリュシアを殺しかけたことも、彼の中ではなかったことになっているのだろう。
謝罪をすれば、追放を取り消してもらえるとでも思っているのだろうか。
「エリュシア、俺は」
まだ何か言おうとしていたけれど、エリュシアは再び歩き始めた。引き留めようと上げられた彼の言葉にも、振り返らない。
これ以上、彼女達に関わる必要はない。
そう思っているのに、だんだん足が速くなる。半分走るようにして、階段を上った。
そして、思ってもみなかった人がいるのに気づく。ディーデリックが、すぐそこに立っていた。いつから、ここにいたのだろう。
「ディーデリック様!」
「終わったか?」
息を切らせているエリュシアに、彼は両腕を広げる。迷うことなく、エリュシアはそこに飛び込んだ。
エリュシアは、黙って彼を見ていた。彼も、エリュシアを見つめている。
「……悪かった、いろいろと」
「そうですか」
彼の謝罪は、あまりにも軽かった。
過去、暴力をふるったこともエリュシアを殺しかけたことも、彼の中ではなかったことになっているのだろう。
謝罪をすれば、追放を取り消してもらえるとでも思っているのだろうか。
「エリュシア、俺は」
まだ何か言おうとしていたけれど、エリュシアは再び歩き始めた。引き留めようと上げられた彼の言葉にも、振り返らない。
これ以上、彼女達に関わる必要はない。
そう思っているのに、だんだん足が速くなる。半分走るようにして、階段を上った。
そして、思ってもみなかった人がいるのに気づく。ディーデリックが、すぐそこに立っていた。いつから、ここにいたのだろう。
「ディーデリック様!」
「終わったか?」
息を切らせているエリュシアに、彼は両腕を広げる。迷うことなく、エリュシアはそこに飛び込んだ。