奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
 シャリーンの声には、自分を責める響きがあった。
 なかなか先を続けようとしないのは、彼女もどう説明すればいいのか言葉を探しているのかもしれない。

「それで、そこで何をしていたんだ?」
「これです」

 ディーデリックに促されてシャリーンが取り出したのは、手のひらほどの大きさの石のような形をした魔道具だった。見た目は美しい宝石のようだが、内部で不気味な光が脈動している。

「これは……?」
「『魂の移植石』と、ドミニクは呼んでいました」

 ディーデリックの顔が強張った。エリュシアも、息を呑む。

(魂の移植? そんなことが可能なの?)

 どんな魔導具なのかわからないのに、見ているだけで背筋が冷え込んでくる。

「魂を? まさか――」
「ええ。人の魂を抜き取って、この石に封じ込める。そして、その魂を別の人間の魂と合わせることができるそうです」

 室内の空気が、一気に重くなった。
 シャリーンは、石をテーブルに置いた。それは、まるで生き物のように光を放っている。

「そして、この技術を使って――皇帝は、もう何十年も前から、他人の魂を奪い続けていたのです」

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