奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
 もしかして、嫁いでから二年もエリュシアを放置しておいたのは、魔力が育つ可能性を考えていたのかも。

「さらに――」

 シャリーンは、もう一つの石を取り出した。こちらの方が大きく、より強い光を放っている。

「これは、新型の魂の移植石です。従来のものより、はるかに高性能だそうです」
「新型?」
「ええ。そして、これが完成したということは……近いうちにまた新たな犠牲者が出るでしょう」
「ドミニクに直接話を聞こう」

 ディーデリックは立ち上がった。

「これが、完成していてよかったですね。もしかしたら、事前に工房に仕掛けをしているかもしれないですし」

 結局、王国で動き回っている間も、シャリーンとは頻繁に手紙のやり取りをしたし、トーマスには素材の納品を頼むことになってしまった。
 だが、この魔道具があれば、こちらの切り札になりえるだろう。ドミニクが集めていた品々と同じぐらい貴重な素材を使わねばならなかったので、数を揃えられなかったのが難点だけれど。
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