奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
「若く、健康で、魔力もそれなりに。陛下の魂とよくなじむ素材でした。陛下も、興味の失せた側妃を有効活用できてよかった」
「素材だと? 有効利用? 人間を素材扱いするのか?」
「ええ、素材です。陛下を生かすためのね。それに、必要のなくなった側妃を宮廷に置いておく必要はないでしょう? そして――私は、魔道具師として名を遺す」

 ドミニクの視線が、エリュシアに向けられた。

「あなたの魔力……純粋で強力だ。おそらく、移植石の性能を大幅に向上させることができるでしょう」

 エリュシアは後ずさりした。
 たしかに、今回の人生では一度目の人生以上に魔道具を作っている。魔宝石も、魔導具に使うための魔宝石もたくさん作った。
 一度目の人生では暇つぶしのためだった魔道具作りは、今回の人生では生きていく術でもあったから、必死だった。
 おかげで、今は、一度目の人生以上の魔力を持っているだろう。

「ですが、今は新型の移植石が完成しましたからね。個々の魂の質よりも、量の方が重要になりました」
「これですね。この石一つで、十人分の魂を同時に処理できるようです」

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