奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
 シャリーンが、別の魔道具を指し示した。それは、最初に見せてもらったものより一回り大きい。

「十人分……」
「ええ。効率が飛躍的に向上しました。陛下もお喜びになるでしょう。まだ実験段階ですが、理論上は一度に二十人、三十人もの魂を取り込むことが可能です。想像してみてください。一夜にして、宮廷の邪魔者をすべて始末できるのです」
「すべてを始末?」

 エリュシアは眉をひそめた。ちらりとディーデリックの方に目をやれば、彼も険しい顔をしている。シャリーンも。

「反乱を企む貴族達、陛下に逆らう者達――彼らの魂を奪い、陛下の役に立てる。空いた席には、陛下に忠実な者を入れればいい」
「貴様……まだ続けるつもりか?」

 ディーデリックは、ドミニクの襟首を掴んだ。ぐっと持ち上げ、顔を近づける。

「もちろんです。我々は、死という人類最大の制約を克服したのです。これは偉大な発見であり――」
「黙れ! 貴様のやったことは、ただの殺人だ!」
「殿下は、まだお若いから理解できないのでしょう。いずれわかる時が来ます!」

< 267 / 279 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop