奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
 ディーデリックは剣を抜き、石から放たれる光に抗うように前へと飛び出した。

「見よ、ディーデリック! これが真の皇帝の姿だ。肉体は朽ちぬ。魂を糧として、永劫にこの帝国を支配する!」

 皇帝が、すさまじい声を上げた。
 腰に差していた剣を抜き、ディーデリックにつきつける。ぎらりと光る刃に、エリュシアは動けなくなった。
 一度目の人生、皇帝に胸を貫かれた時のことを思い出して。

「違う! それは、皇帝のなすべきことではない! 命を踏みにじり、恐怖で縛りつけるだけの虚ろな玉座に、未来などない!」

 ディーデリックは、前へと踏み込む。
 皇帝の持つ石から迸る光線が、蛇のように絡みついてくる。
 皇帝は笑い、左手で移植石を掲げたまま、右手で剣を抜いた。その剣から、黒い炎が吹き上がる。

「ほう……息子よ。ここまで抗えるとはな。だが所詮、お前はただの人間に過ぎぬ。父を越えられると思うか?」
「越えられる!」

 ディーデリックの剣が鋭く振りぬかれ、皇帝の持つ剣から放たれる炎を吹き飛ばした。
 さらに踏み込んだディーデリックは、剣を振りぬく。
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