奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
(……国のあり方も、変えていかなくてはね)

 鏡を見つめながら、さらに考える。クラニウス王国のあり方は、歪なものだった。
 たくさんの子供で縁を繋ぎ、独立を保つなんてやり方――今の時代では通用しない。
 母が、その輪の中に引きずり込まれなかったら、きっとエリュシアも知らないままだっただろうけれど。
 皇帝の死が広められるのと同時に、ディーデリックの即位が合わせて決められた。
 魂の移植石のことは、公表しなかった。
 たくさんの犠牲者達は、精神を病んだ前皇帝によって命を奪われたということになっている。エリュシアもそれに同意した。
 あれは危険すぎる発明だ。
 ドミニクの持っていたシャリーンへの嫉妬心があれを生み出したのだとすれば、間違いなくドミニクには魔道具師としての才能はあったのだろう。だが、彼は才能の使い方を誤った。
 魂の移植石の研究成果については、シャリーンとエリュシアが自分達の手で焼却処分にした。あれは、絶対に世の中に出してはならない。その他、ドミニクが残していた記録もすべて、エリュシアの見ている前でディーデリックが焼き捨てた。
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