奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
身体から心が引き離された以上、もう、死ぬしかないのだろう。意識を保っていられるのは、あとどのぐらいだろうか。
(ディーデリック様……そう、ディーデリック様は……!)
不意に思い浮かんだのは、皇太子ディーデリックの名。
離宮で寂しいエリュシアの心を慰めてくれたのは、時折訪れる彼だけだった。
もし、エリュシアが皇帝に殺されたと知ったなら。
彼はどれだけ衝撃を受けるのだろう――父の横暴をどうにかしなければと懸命にあがいていた彼のことだから、もしかしたら、危険な行動に出るかもしれない。
(私のことは、忘れて――どうか、あなたは生きて)
生きているうちに伝えていれば何か変わっただろうか。愛している、と。
彼の存在だけが、生きていてもいいと思わせてくれたと伝えていたら――。
(いいえ、どうにもならなかったわね)
もう身体から引き離されているのに、どういうわけか自分が自嘲の笑みを浮かべている気がした。
だって、彼はエリュシアを愛していたわけではない。
親子以上に年齢のある男に嫁いできたのに、放置されているエリュシアを憐れんでくれただけ。
(ディーデリック様……そう、ディーデリック様は……!)
不意に思い浮かんだのは、皇太子ディーデリックの名。
離宮で寂しいエリュシアの心を慰めてくれたのは、時折訪れる彼だけだった。
もし、エリュシアが皇帝に殺されたと知ったなら。
彼はどれだけ衝撃を受けるのだろう――父の横暴をどうにかしなければと懸命にあがいていた彼のことだから、もしかしたら、危険な行動に出るかもしれない。
(私のことは、忘れて――どうか、あなたは生きて)
生きているうちに伝えていれば何か変わっただろうか。愛している、と。
彼の存在だけが、生きていてもいいと思わせてくれたと伝えていたら――。
(いいえ、どうにもならなかったわね)
もう身体から引き離されているのに、どういうわけか自分が自嘲の笑みを浮かべている気がした。
だって、彼はエリュシアを愛していたわけではない。
親子以上に年齢のある男に嫁いできたのに、放置されているエリュシアを憐れんでくれただけ。