奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
皆、薄々と感じているのかもしれない。彼らの死に、父が関わっていると。
少しずつ、父から権力を奪うように動き始めた。あくまでも、目立たないように。目立てば、計画は途中で崩されてしまう。
そうしているうちに、嫁いできたのがエリュシアだ。父が、なぜ側妃を迎えたのかはわからない。
離宮に放置されていた彼女に、気の毒に思う気持ちがなかったとは言わない。十五歳で六十の男に嫁ぐことを要求され、なのに顧みられることなく離宮に押し込まれた。
エリュシアに向ける気持ちは、最初は同情だったのかもしれない。
時々離宮を訪れ、『皇帝の側妃と皇太子』の適切な距離を守って、茶の時間を共にする。顔を合わせるのは茶の時間だけ。他人の目がないところには行かないし、食事の時間まで離宮に居座ることもしない。
他の側妃と同じように接していたつもりだった。なのに、いつの間にか気持ちは変わっていた。
――気が付いたら愛していた。一人、離宮で静かに暮らす彼女を。
誰に見られても、胸を張って『義理の母への表敬訪問』と言えるような関係だ。
中庭で向かい合い、静かに時を過ごす。交わすのは会話と視線だけ。
少しずつ、父から権力を奪うように動き始めた。あくまでも、目立たないように。目立てば、計画は途中で崩されてしまう。
そうしているうちに、嫁いできたのがエリュシアだ。父が、なぜ側妃を迎えたのかはわからない。
離宮に放置されていた彼女に、気の毒に思う気持ちがなかったとは言わない。十五歳で六十の男に嫁ぐことを要求され、なのに顧みられることなく離宮に押し込まれた。
エリュシアに向ける気持ちは、最初は同情だったのかもしれない。
時々離宮を訪れ、『皇帝の側妃と皇太子』の適切な距離を守って、茶の時間を共にする。顔を合わせるのは茶の時間だけ。他人の目がないところには行かないし、食事の時間まで離宮に居座ることもしない。
他の側妃と同じように接していたつもりだった。なのに、いつの間にか気持ちは変わっていた。
――気が付いたら愛していた。一人、離宮で静かに暮らす彼女を。
誰に見られても、胸を張って『義理の母への表敬訪問』と言えるような関係だ。
中庭で向かい合い、静かに時を過ごす。交わすのは会話と視線だけ。