奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
 魔術回路の素材として母が決めたのは、ドゥードゥーウサギと呼ばれる魔物の革。これは、乾燥させるとカチカチになる。
 それに、フェアリーフィッシュと呼ばれる魚の鱗から抽出される液を塗っては乾かしを繰り返し、完全に乾いたら設計した回路にそって削っていく。
 魔道具によって彫るべき魔術回路が変わるため、職人の手でひとつひとつ彫りこんでいくしかない。

「……できた!」

 回路を彫り上げられたのは、二時間後のことだった。慎重に作業を進めていき、無事に完成した時には毎回嬉しくなってしまう。

(ここに、動力源として魔宝石をはめ込んでっと……)

 母の設計図は緻密なものだ。魔術回路の組み方によって、必要とする魔力量を最低限まで落とせたらしい。
 翌日に届けられた本体に魔術回路を嵌め込み、動力源となる魔宝石をセットして、本体をくみ上げる。
 片手で持てるように設計されていて、スイッチを入れると温かい風が出るという設計だ。
 今までは必要な温度に上げるためのエネルギーを確保するのに大きな魔宝石が必要だったのだが、これは今までの半分以下の大きさの魔宝石で問題ない。

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