奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
「――なにそれ!」

 一応王女だったはずなのだが、そんなマナーどこかに行ってしまった。
 茶会の時に、新作の髪乾燥機を見せあうってなんだ。そんな無駄なことをするのか、王族貴族の女性というものは。

「ほら、皇女殿下に、高名な彫刻家に彫刻を依頼した品を献上しただろう」

新作はまず皇族や親しい貴族に献上するのが決まりだ。そうすることにより、親しい権力者に『最新流行の品を持っている』という優越感を提供できるらしい。
 今回の魔道具も、貴族に渡す前に、本体に彫刻をし、宝石を嵌め込んだものを皇女に献上していた。

「それを、茶会の席で見せびらかしたらしくてな……」

 天井を見上げるトーマスは、遠い目をしている。エリュシアもつられて天井を見上げた。

「嘘でしょ!」

 発端は皇女だったか!

 一度目の人生でエリュシアが嫁いだ時には、彼女はもう国外に嫁いでいたから、顔を合わせたことはない。今回の人生は、平民としてこの国で暮らしているから、会えるはずもない。
 皇女に献上した品は、エリュシアも覚えていた。
 商会と付き合いのある彫刻家に依頼をし、天使や花等を表面に彫刻してもらった。
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